第56話 閑話 ケルベロVS天使ルバート
ケ「さて、こいつをどうしようかな?」
あたちはステータスを鑑定する。
ネクロマンサー(悪魔):HP9600、MP1000、攻撃力10、防御力10、素早さ10、魔力10、スキル:ネクロマンシー、転移、MP自動回復(大)
雑魚だな。悪魔にしては弱すぎる。これだけ弱いなら、縛っておく必要は無いな。
ケ「ロープは外してやる。それで、お前はどういう悪魔だ?」
悪魔は大抵強い。上級魔族なら女神Ⅰ~中級神並み、中級魔族なら女神Ⅲ~女神Ⅱ並み、下級魔族なら女神Ⅴ~女神Ⅳ並みだ。一番ランクの低い下級魔族だったデーモンですら、普通にランクⅤだったワルキューレより強い。まあ、悪魔は悪魔でも、魔王の部下である自称悪魔とか言う低級妖魔とかもいるから一概には言えないが。
鑑定を持っていないワルキューレには分からなかっただろうが、あいつが最初にダンジョンで倒したのは、自称悪魔の方だ。本物の悪魔だったらワルキューレの方がやられている。で、だ。こいつも自称悪魔の方か?
ネ「私は、ネクロマンサーだ。」
ネクロマンサーは、ネクロマンシーを使うと、ゴーストを召喚した。
ケ「ああ、こいつを召喚したのはお前だったのか。」
あたちはゴーストが透過する前に素早く殴り飛ばす。ゴーストに4049000ダメージ。ゴーストはコアを残して消滅した。
ネ「ばかな!私のとっておきが一発でやられただと!」
あたちは、この程度なら大した情報も持っていないなと思い、さっさと処分することにした。
ケ「じゃあな、弱っちぃ悪魔さんよ。」
あたちはネクロマンサーの腹を殴った。ネクロマンサーに2450000ダメージ。おや?コアにならないな。
ケ「あたちの攻撃を、耐えただと?」
あたちはネクロマンサーから距離を取る。ネクロマンサーから煙が立ち上ると、黒い蝙蝠の様な羽の悪魔が現れた。できる女スパイの様な格好だ。
天「あーあ、せっかく潜入に成功したと思ったのに、ばれちゃった。」
悪魔は大して残念そうな感じではなく、首をゴキリと鳴らした。
ケ「もう一度聞く。お前は誰だ?」
天「あら、相手に名前を聞くときは、自分から名乗れって言われなかった?」
悪魔はクフフと口に手を当てて笑っている。
ケ「・・・あたちはケルベロ、女神ランクⅢの女神だ。お前は?」
あたちの攻撃で死んでないって事は恐らく下級魔族では無いはずだ。
天「へぇ、そんな見た目で女神なんだ?私はルバート、天使ルバートよ。」
ルバートの名前は聞いたことがある。かつて、女神ランクⅢだった天使だ。
ケ「あ?堕天使の間違いだろ?」
天「言ってはならないことを言ったわね・・、殺すわ!」
ルバートは、異様に長い腕をあたちに突き刺す。ケルベロに0ダメージ。
天「なんで?攻撃が通らない!?女神ランクⅢって言うのは嘘なの?!」
あたちも不思議に思ってルバートを鑑定した。
天使ルバート(悪魔):HP755万/1000万、MP1200万、攻撃力200万、防御力160万、素早さ270万、魔力170万、スキル:転移、MP自動回復(大)
ラ「女神ランクⅢの中でも下の方だな。スキルも少ないようだな?」
あたちはニヤリとしてルバートを見ると、ルバートは冷や汗を流して苦笑いをしている。ルバートは鑑定をもっていないため、鑑定されたことに気づかないようだ。
天「な、なんの事かしら?」
ラ「昔と今は違うって事だよ!」
あたちは一瞬でルバートの背後に回ると、首を蹴り飛ばした。クリティカル発生、天使ルバートに6990000ダメージ。ルバートは吹き飛んでいく。吹き飛んだ先で、気絶していたネクロマンサーを抱き寄せて盾にする。
天「て、転移!転移よ!」
ケ「させるわけ無いだろ?」
あたちは一瞬でルバートの横に移動すると、横腹を蹴った。天使ルバートに2450000ダメージ。吹き飛ばされたルバートは、霧の様に消えた。
ケ「ん?追跡スキルの対象がネクロマンサーになってやがる。」
さっきクリティカルの時に自動的についた追跡スキルだ。ルバートが消えた今、意味は無いと思うが、念のために残しておくか。
ケ「おい、起きろ。」
あたちはネクロマンサーを攻撃にならない程度にゆする。
ネ「うっ・・うん?」
ケ「自分の状態は分かるか?」
ネ「・・・はい、悪魔に憑依されていたようですね。私はイルナと言います。ネクロマンサーとして、実力を示そうと無理にネクロマンシーを使いました。すると、見たことも無い悪魔が現れて、憑依されて・・。そこから意識は薄くなりましたが、ゴースト達を召喚して自分の星をめちゃくちゃにしたのは覚えています。最終的には、ゴーストは倒されたようですが、その時点で転移したので、詳細は分かりません。こちらの世界に来る前は魔界に居ました。魔界では、悪魔の憑依の影響が薄まりましたが、その代わり、リッチ達に見張られながら育てられました。あとは、ここにきて、ゾンビを仕込んだり、マミーを召喚したりしましたが、目的は分かりません。」
ケ「そうか。だったら、しばらくあいつらと行動してみてくれ。」
あたちはネクロマンサー、ああ、今はイルナか。イルナから話を聞くと、ボロボロになった服の代わりにメイド服を渡した。あたちは、大した問題が無かった事にしようと、弱い分身でも倒せたという様に振舞い、あいつらにイルナを任せることにした。
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