第43話 カジノ
レ「とりあえず、コボルトのコアと俺のMPをチップに変えてくれ・・。」
昨日アヌビスに集めてもらったコアと、俺のMPをコインに変えてもらう。MPは自動回復するから溜まったらまた交換してもらおう。
ラ「わかりました、それではこちらをどうぞ。」
ラヴィ様はアイテムボックスからじゃらじゃらとコインを取り出すと、箱に入れて渡してくれた。単位は1つしかないみたいで、Gと書いてある。
ラ「帰るときは、コインを交換しますので、声をかけてください。」
それだけ言うとカウンターにもどって待機している。このラヴィ様はコイン交換専用らしいな。俺はアヌビスと弥生にコインを渡していると、メィルが話しかけてきた。
メ「お兄ちゃん!私の分は?」
レ「いや、お前は何もしてないだろ。自分のMPを変換してこいよ。」
メ「お兄ちゃんのケチ!」
メィルはプンプン怒りながらカウンターに向かった。MPをチップにするって女神ならほぼ無限に交換できるだろ・・。ちなみに、ワルキューレは来て早々、興味が無いのか、バーの方で飲み物をのんでのんびりしている。
ヤ「私は王道のルーレットをしてきます!」
ア「我はバカラというのをやってみるのじゃ!」
2人はそれぞれ好きなゲームに向かって行った。メィルはポーカーにいったみたいなので、俺は普通にスロットをやるかな。
ラ「スロットの説明は要りますか?」
スロット担当のラヴィ様が居たので、説明をお願いした。ここには3種類のスロットがあり、5リールの物、3リールの物、9リールの図柄を揃える物だ。3リールの物は777が揃えば大当たりになるし、5リールの物は宝の図柄が5つ並ぶと大当たり、9つはジョーカー風のうさぎが9つ揃うと大当たりみたいだ。俺は一番確率の高そうな3リールの物をやってみることにした。
レ「とりあえず、5BETで全ラインか。」
横3列と斜め2列だ。俺はコインを5枚入れると、レバーを下げる。自動で止まるタイプみたいなので、後は見ているだけだ。しばらくして、左のリールの真ん中の列に7が止まった。
レ「お、さっそく7か。ほぼ外れるやつだな。」
ゲーセンでやるスロットならば、最初に7が止まるとほぼハズレだ。中のリールの真ん中の列にも7が来た。リーチになったからか、画面がキラキラと光っている。
レ「リーチか!まさか当たったり・・?」
期待に胸を膨らませながら、食い入るようにリールを見る。最後の右のリールはなかなか止まらない。ゆっくりくるくる回っていて、揃いそうになると滑る。それを3周くらいしたあとに真ん中の列に7が止まった!
レ「やったぞ!大当たりだ!」
俺は立ち上がると、ガッツポーズをした。いきなりまさかの大当たりで、コインが1000枚でてきた。すると、ルーレットをやっている弥生や、バカラをやっているアヌビスからも。
ヤ「やりました!36倍大当たりです!」
ア「これは楽しいのじゃ!3連勝じゃ!」
これはおかしいな?当たりすぎる。ビギナーズラックであとからすっからかんにされるのか?俺は疑いながら次は9つの図柄をそろえるスロットにした。最大の8枚を入れる。レバーを下すと、画面にかわいいうさぎがぴょんぴょん跳ねてきて、左上のマスに入る。また跳ねてきてその下に入る。最終的に9つ全てがうさぎで揃った。大当たりで2000枚のチップが出てきた。これはおかしい、絶対おかしい。俺は2人の方に向かった。
ヤ「200枚が36倍にあたり、さらに全部黒にかけて14400枚になりました!」
弥生は全掛けして2連続当たったらしい。
ア「我は100枚が5連勝で3200枚になったのじゃ!」
アヌビスは5回連続勝ったらしい。絶対に無いとは言わないけれど、おかしい。
レ「なぁ、当たりすぎじゃないか?俺も大当たり2回連続で当たったんだけど。」
ヤ「よかったじゃないですか!増えれば増えるほど楽しいです!」
ア「そうじゃ、勝つのは楽しいのじゃ!」
2人とも勝ったことで浮かれて冷静な判断になっていない。
レ「メィルはどうだ?」
メ「・・え?・・なんですか?」
メィルはポーカーで全敗らしい。フラッシュが揃えば親がフルハウス、3カードにはストレート、フルハウスには4カードで負けたらしい。こっちはこっちでおかしいな!メィルにだけ勝たせる気が無いかのようだ・・。絶対に裏があると思い、ワルキューレに今までの事を話した。
ワ「ここは、俗にいう救済措置の場所だ。我々神には全く関係が無い。」
ワルキューレの話では、ダンジョンに行き詰まったり、逆に好調すぎるときに援助や足止めの調整をする場所らしい。コインは経験に変えられるので、勝っているなら恐らく5階は厳しい場所なんじゃないか?という事らしい。
そういうことで、どうやってもカジノ側の都合のいいように調整されるようで、メィルみたいにダンジョンに関係のないものは100%負けるらしい。だからワルキューレはやらないのか。なんでメィルはその事を知らないんだろうな?知ってて演技しているのかと思ってメィルを見ると、カウンターでMPをコインに変えてまた負けているから、カジノの存在は教えてもらっているのに、カジノの意味は教えてもらってないのだろうな・・。
レ「俺に話してもいいのか?」
ワ「話さなくても結果は一緒だからな。仮に1回しかやらなくても交換率で調整されるから変わらん。」
少ないなら少ないなりに多く交換してくれるらしい。そういうことなら、俺も適当に遊んでくるか。
そして、最終結果。
ヤ「勝ちまくって10万枚になりました!」
ア「我は最後の最後に全掛けして負けたのじゃ・・。」
うん、アヌビスは神枠だな。そしてメィルは・・。
メ「全敗しちゃった・・。」
本当の女神には容赦ないなカジノ。そろそろお昼だし、引き揚げてホテルでのんびり過ごそう。
俺達はカウンターのラヴィ様にコインを渡すと、経験のコアをくれた。このコアはここでしか使えないとの事なので、即座に使用した。
源零:HP603、MP410、攻撃力100、防御力120、素早さ90、魔力41、スキル:分裂、MP自動回復(小)
形無弥生:HP772、MP505、攻撃力130、防御力70、素早さ137+82.2、魔力70、スキル:変化、投擲術(7)、空間魔法(4)
俺達、結構強くなったんじゃないか?これなら5階層も余裕だろう。
俺達はホテルに戻ると、昼飯を食うことにした。俺はちゃんぽん麺、弥生はアジフライ定食、アヌビスはお子様ランチを食べた。ワルキューレはバーで飲んだから満足したのか、自室に帰っていた。
俺達3人はケルベロちゃんにモノポリーを取り寄せてもらって遊んだ。夕食はみんなで手巻き寿司を作って楽しんだ。ワルキューレは納豆巻を初めて食べたのか、微妙な顔で、口の端から納豆が垂れているのが面白かった。アヌビスは爆笑していたな。真っ赤な顔でプルプルするワルキューレは可愛かった。弥生はなぜかかっぱ巻きとかんぴょう巻ばかり食ってたな。こうして楽しい時間を過ごした後、アヌビスを風呂に入れ、歯磨きをした後に寝た。
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