第35話 アヌビス神

ヤ「こちらは終わりました!援護に入ります!」





うん、見てた。俺は素早さでホワイトファングに負けているため攻撃は当たりにくいが、相手の攻撃もクリティカルじゃない限りダメージを受けないのでじわじわとダメージを与える。ホワイトファングに55ダメージ。零に0ダメージ。ホワイトファングに55ダメージ。クリティカル発生、零に70ダメージ。





レ「いつの間にか1匹が俺の後ろにいる!助けてくれ!」





弥生はケルベロスと一緒に戦っているが、いつの間にかペプシがやられたらしく、俺の方に着ていたみたいだ。





ヤ「もう少しで倒せますので、しばらく耐えていてください!」





俺は壁に寄ると、不意打ちの一撃を食らわないようにして耐えた。しばらくすると、弥生とケルベロスが駆けつけてきて、ケルベロスはやられたが、なんとか2匹とも倒すことができた。





レ「ふぅ、助かったよ、弥生。」


ヤ「ありがとうございます!昨日の成果ですね!」





弥生はうれしそうに笑うと、ブイとピースサインをした。





ワ「なかなかやるな、お前たち。その調子でがんばりなさい。」





ワルキューレからも一応お褒めの言葉を頂いた。もし、死んだら蘇生をお願いします!できたら死ぬ前に助けてほしいけど。俺達がホワイトファングのコアを集めていると、転移してくる者が居た。メィルか?





ア「ふむ、転移成功じゃ。」





メィルじゃない。犬の様な顔だが美女だ。Fカップくらいある。古代エジプト人のような布っぽい服に黄金の装飾みたいなのを付けている。武器は杖か?





レ「お前は誰だ?」





ワルキューレの時の事もあるので、鑑定はしていない。もしワルキューレより上位の女神だったら、ラヴィ様が休みの今は助けが無くて確実に死ぬからな。





ア「ほぉ、ここの猿はしゃべるのか。ほれ、エサも無いから逃げるがよいぞ。」





女は馬鹿にしたようにシッシッと手で追い払う仕草をする。





ワ「あれは他次元の神だな。何をしに来たか分からないが、おそらく敵だ。鑑定をしておけ。」


ヤ「分かりました、鑑定!」





アヌビス(神):HP50000、MP45500、攻撃力1500、防御力5000、素早さ7800、魔力12000、スキル:魔法耐性(大)、闇魔法(7)、HP自動回復(大)、MP自動回復(大)、転移魔法、鑑定、蘇生、千里眼、飛行、神杖(魔力4万)、聖なる衣(3万)





ア「この舐め回される様な不快な感じは鑑定をしおったな?不愉快だ、死ね!」





アヌビスは一瞬で弥生の目の前に現れて杖を振りかぶった。





ヤ「!!?」





弥生は目をつぶってくるであろう衝撃に備えていたが、アヌビスの杖はワルキューレの槍が防いでいた。ワルキューレに0ダメージ。アヌビスはいまいましそうにワルキューレをにらみつけると、距離を離した。





ア「この世界の神か?偶然にしては出来すぎているな?」


ワ「私は女神ランクVのワルキューレだ。お前は何者だ?」





ワルキューレは槍をいつでも攻撃できるよう構える。





ア「我の名はアヌビス。惑星アヌビスの神じゃ。」


ワ「その神が何の用だ?」


ア「くっくっく、お前を倒してこの世界の神になるのじゃ!」





アヌビスが闇魔法を唱えると、辺りが真っ暗になって何も見えなくなった。俺はとっさに弥生をかばおうと下がった。





ヤ「きゃぁ、誰ですか私の胸を触っているのは!」


ワ「私は闇魔法も光魔法も使えるぞ?」


レ「ちょ、まっ!」





ワルキューレは光魔法を唱えると、暗闇は消えて明るくなった。そして、俺の右手は弥生の右胸にあたっているのが見えた。





ヤ「みーなーもーとーさーん?」


レ「俺は弥生をかばおうと!」


ヤ「じゃあ、いつまで触ってるんですかねぇ?」





俺は離すタイミングを逃して触っていた手を離す。一応、揉んではいない!触れただけだ!


俺は弥生にぼこぼこにされたが、弥生の素手の攻撃力と俺の防御力が釣り合っていたのでダメージは0だった。素手じゃなかったら死んでたけどな!





俺達のくだらない争いとは別に、アヌビスとワルキューレは激闘を繰り広げていた。アヌビスが闇の球を飛ばすと、ワルキューレは光の球で相殺し、ワルキューレが光の剣を飛ばすと、アヌビスは闇の壁で防いだ。





ア「なかなかやるではないか、本気を出させてもらうとするのじゃ。」





アヌビスは側で浮いていた神杖を握りMPを込めると、杖は変化し槍となった。槍は禍々しいほどの闇で覆われた。おそらく魔法ダメージになるのだろう。あれを食らったらワルキューレでも危ない。





ワ「私に対して槍で挑むとは。来い!」





アヌビスは闇魔法を唱えると、影が檻の様に現れてワルキューレの周りを囲む。そして、同時に槍を突きだす。





ワ「甘い!」





ワルキューレは飛行スキルで空中に浮かぶと、一瞬閃光の様に強い光魔法を唱えた。





ア「くっ、眩しい!どこへ行ったのじゃ!」





光は一瞬だったため、数秒で目は戻ったが、ワルキューレの姿は見えなかった。





ワ「ここだ。」





ワルキューレは透明化のスキルを使っていたらしく、姿を現しながら、背後からアヌビスの胸を槍で貫いていた。クリティカル発生、アヌビスに139200ダメージ。





ア「我が、負けるとは・・。」





アヌビスはコアになった。そのコアをワルキューレは拾うと、俺に投げてきた。これ使ったら俺も神か!と思ったが。





ワ「使うなよ?お前のスキルで再現して詳細を聞き出すのだ。」





そういうことか、俺は分裂をアヌビスのコアに使った。俺のMPではアヌビスの100%再現は不可能で、7歳くらいの幼女になっていた。胸もFからAAカップになったようだ。身長はドラえもんくらいで123cmか。一応弥生に再鑑定してもらう。





アヌビス(分裂体):HP3333、MP3000、攻撃力100、防御力333、素早さ520、魔力800、スキル:魔法耐性(中)、闇魔法(4)、神杖(魔力200)、聖なる衣(200)


MPが減ったからか、神力みたいなのが減ったからか、杖も衣も弱く、ステータスも15分の1くらいになったな。





ア「蘇生か・・?ふはは、我が1度負けた程度で降参するわけがないのじゃ、さらばじゃ!あれ?」





アヌビスは杖を掲げ、何度か「転移!転移!」と唱えているが転移できない。なぜなら、スキルもほとんど再現できていないからな!





ワ「蘇生ではない、コアからの復元だ。もう神ですらない。お前はそこの人間のペットに成り下がったのだ!」





アヌビスはワルキューレに言われた事を理解するにしたがって、茫然とした顔で四つん這いになると、





「我がペット・・。神である我が・・。」と呟いている。

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