第15話 閑話

戦闘を分裂体のケルベロスに任せている間、俺達はそれぞれの時間を過ごす事にした。


俺は漫画を取り寄せれるかどうかケルベロちゃんに確認しに行く。弥生も一緒だ。





レ「ケルベロちゃん、漫画って取り寄せれる?」


ケ「どのような漫画ですかワン?いかがわしいものはダメだワン。」





ケルベロちゃんがそう言うと、弥生は半目になって俺をジーっと見ている。





レ「普通の漫画だよ!?週刊誌で気になるのがあって、取り寄せれるなら単行本も欲しい、あと、アイデア用に使えそうなものを何か。」


ケ「それなら可能ですワン。あとでお届けしますワン。あなたはどうしますかワン?」


ヤ「私は、犬用ブラシとシャンプー、あとは犬のお世話の仕方が分かる雑誌を下さい!」





犬用と言われ、ピクリとケルベロちゃんは反応したが、特に何も言わなかった。





ケ「分かりましたワン、他に要る物はありますかワン?」


レ「思いついたときに、またお願いするよ。」





俺達はそれぞれ部屋に戻った。





レ「これからどんどん敵は強くなるのに、俺自身のステータスは上がっても戦闘自体は苦手だ。」





漫画を読みながらも、今日の出来事を思い出す。





レ「弥生の変化は使い道が山ほどある。俺の分裂も俺のイメージ次第で融通は利く。」





それを踏まえて、出来ることを考えていく。今はケルベロスを作成したばかりで、ほとんどMPが無いため、回復したらいろいろと試してみよう。








弥生サイド


ヤ「初めて犬を飼うときの心構えとは!」





私は、源さんが作ったケルベロスを見てキュンと来た。絶対に飼う!そう決意して飼い方を学ぶ。





ヤ「飼い始めは夜泣きする。これは大丈夫そうですね。」





本物の犬と違って、源さんの知識を持つケルべロス達は賢い。





ヤ「ワクチンを打つ必要がある。これも大丈夫そうですね。」





そもそも、あの子達は病気になるのかしら?





ヤ「散歩が必要である。これも大丈夫そうですね。」





散歩かどうかは分かりませんが、ゴブリンでも狩らせますか。





ヤ「食費がかかる。これも大丈夫・・ですよね?」





あの子達、食べ物を食べるのでしょうか?まあ、私たち同様に食事を頼めば大丈夫でしょうきっと。





ヤ「ノミ・ダニ予防、去勢、避妊、狂犬病・・いろいろありますね。」





ブラシは用意しましたし、あの子たちはオス、メス、どっちでしょうか?ケルベロスも狂犬病になるのかしら?





ヤ「しつけ!褒める事、注意する事が大事。」





いろいろやることがありそうですが、かわいいあの子たちの為、がんばって勉強します!











その他


あたちはケルベロ、ビジネスホテルを管理している。





こう見えてもあたちは女神ランクⅢ、本来は惑星の2つや3つ管理できるほどの力がある。


今は正直、謹慎に近い。





あたちは自分で言うのもなんだけど、気が短い方だ。原住民の願いやらなんやらに短気を起こしたのは認める。でも、ビジネスホテルの管理だけとはいくらなんでも・・と言いたいが、ラヴィ様の命令には逆らえない。大人しくしていよう。幸い、今回の試験参加者は面白い奴らが揃っている。退屈はしなさそうだ。





それはそうと、普段のあたちがしゃべる時は「ワン」と語尾を付けているが、別に口癖ではない。普通にしゃべると口が悪いから、何とかしろと言われた結果だ。





地球人が来ると言われ、情報を集めた結果、あたちのような見た目の少女はそうしゃべるのが普通だと学んだからだ。だから、あたちを馬鹿にするやつは消す!いや、消滅させるワン?なんか違うな・・、あたちも漫画を読んで勉強しよう。漫画って面白いワン!











私はラヴィ=キラー、今ははじまる様のダンジョンの受付嬢。


昔はやんちゃもしたけど、今は大人しいものよ。本当よ?みんなからは出来る上司と見られているわ。





それはそうと、ダークとか言ったかしら、あの魔族。私に攻撃する度胸があるとは面白いわね。まあ、遅すぎて当たる事すら難しいのだけど。あの時はリリスが止めたけど、止めなかったらリリスにお仕置きだったわ。こう見えても多才なのよ?調教してあげたかったわ。





最近不穏な動きのある魔界の監視も私の仕事。あら?粘ると思っていたのに結構あっさりと魔神が死んだみたいね。戦闘跡が激しすぎて、土けむりでよく見えないわ。千里眼をやめて分身を向かわせようかしら。





あ、ちなみに料理は出来るわよ?作らないだけで、作ることは出来るのよ?本当よ?ただ、食べた男神が血の泡を吐いたときはびっくりしたわ。それから、作るなって言われただけよ?











俺はファイターと呼ばれている者だ。ゴブリン相手に活躍できなかったため、夜にこっそり練習している。





フ「十字切り!」





俺は剣を縦に振りぬいた後、切り返して横に振る。ゴブリンに23ダメージ。縦斬りで倒しきっていたため、横斬りは無駄に終わった。当たればダメージが入る、それがたとえ指先だろうとだ。俺は出来る限り安全に戦えるように練習する。





フ「乱れ突き!」





俺は剣をフェンシングの様に突き出し、肘だけ曲げて突きを連打する。ゴブリンに23ダメージ。・・・一発目で倒したな。これ練習になるか?2階では役に立つと信じ、技の練習をすることにした。











俺っちはシーフと呼ばれている者でゲス。別に罠に詳しいわけでも、解除する技を持っているわけでもないでゲス。単にシーフだからという理由でやらされているでゲス。





まあ、俺っちは前衛で戦わなくて済むだけ安全なので一応我慢するでゲス。ところで、マッピングは誰がやっているでゲスか?せっかく罠を見つけても記録しないと時間ばかりかかるでゲス。











拙者はナイトと呼ばれている者でゴザル。本当は、侍のつもりだったのでゴザルが、格好が鎧武者というよりも単なる鎧に見えたため、そう呼ばれているだけでゴザル。





拙者、こう見えても人を傷つけたことも無い小心者の為、刀なんて振れないから盾職になる事に関して文句は無いでゴザル。防御特化でもそのうち最強になれるでゴザル!











私はマジシャンと呼ばれているわ。コスプレ好きの単なる大学生よ?中二病では無いからね。でも、魔法を唱えるって楽しいわ!いつもは化学薬品でそれっぽい演出していただけだけれど、ここでは火も水も本当に出せるもの!





大魔法使いとしての未来が明るいわね!今も部屋で魔法の練習中よ。熟練度を上げて早く魔法をパワーアップさせたいわ!











あたしはバンプー=コゥマ、見習い女神だ。見習い女神になる前は鬼人と呼ばれていた。あたしは城を構え、部下たちと一緒に戦国の世で名を馳せていた。





あと少しで天下統一と言うところで、女神予備軍にならないかと声をかけられた。女神になる条件を満たしているらしい。その条件は、知的生命体であること、一定の強さを持つこと、最低1000年は生きられる事が条件らしい。





自慢じゃないが、この国で一番強いのはあたしだ。鬼族の中でも歴代1位だ!といっても、戦闘好きが祟ってすぐ死ぬ奴らばかりだが。





あたしは予備軍から見習いになるべく自己研鑽を続け、こうして見習いになる事が出来た。勉強は嫌いだが、強くなるのは好きだからな!











うちはリリス=ナーニャ、見習い女神や。見習い女神になる前は、とある国の悪魔の女王やったんよ?国民をいびり倒したり、いたずらしたり、楽しい毎日やったわ。





でもな、ある時あんまりにいたずらが過ぎると上級悪魔からひんしゅくを受けてもうて、国を追い出されてしもた。復讐に燃えたうちは、力をつける旅をしてたんよ。





そしたら、女神にならないか?ってイケメンの男神に誘われたんよ!うちは即うなづいて女神予備軍になったんよ。





でもな?見習いになるには勧誘した神の評価がいるらしくてな?数百年も雑用させられたわ!ある時は天使の格好をして民に助言をしたり、あるときは探し物の為に国中探し回ったり。まあ、天罰を下すのは楽しかったけどな?





そうこうしているうちに、評価値が貯まって見習いになったんよ。ただ、評価が下がると予備軍に落ちるから、ダークの行動を見ると、ほんまに胃が痛くなるわ・・。

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