第9話 アナザー
アナザー(とある4人組)
フ「やっと1階クリアか。」
俺達は、ゴブリン退治自体は楽だったのだが、罠にかかるわ迷路のようで迷うわで時間が掛かった。俺達はいままで倒したゴブリンのコアを、均等に分けた。コアを4人で分けたため、全然ステータスが上がらない。
しまいには、「リーダーっているのかしら?」「3人で十分かもしれないでゲスね」とか冗談まじりに言ってくる。・・冗談だよな?
俺達はエレベーターで戻ると、ステータスを確認した
俺達の現在のステータスはこうだ
ファイター:HP150、MP60、攻撃力25+2.5、防御力15、素早さ10+1、魔力5、スキル:剣術(2)攻撃力1.2倍、素早さ1.1倍、装備:紙の剣攻撃力1
シーフ:HP120、MP60、攻撃力15、防御力10、素早さ23+4.6、魔力10、スキル:投擲術(2)、投擲ダメージ1.2倍、素早さ1.1倍、装備:紙のナイフ攻撃力1
ナイト:HP250、MP60、攻撃力3、防御力30+6、素早さ11+1、魔力1、スキル:盾術(2)防御力1.2倍、素早さ1.1倍、装備:強化プラスチックの盾防御力3
マジシャン:HP100、MP70、攻撃力1、防御力10、素早さ10、魔力38、スキル:火魔法(2)、水魔法(2)、木魔法(2)、土魔法(2)、装備:木の杖攻撃力1
マ「見て!火魔法、水魔法、木魔法、土魔法!が2になってる!」
シ「俺っち達のスキルも2になってるでゲス!」
マジシャンはさっそく魔法を唱える。火はマッチ程度からライター程度の火に、水はコップ1杯程度から蛇口を普通にひねった程度の水量に、木は「もやし」から雑草に、土は落とし穴になった。
俺は腕時計を確認すると、すでに夜の10時だった。「もやし」と水しか食糧の無い俺達はもう限界だ。
バ「ご苦労だったな、お前ら。」
声のした方を見ると、バンプーが歩いてくる。
フ「何とか1階をクリアしたぞ。」
シ「へとへとでゲス、早く休みたいでゲス。」
マ「私はシャワーを浴びたいわ、お腹もすいたし。」
ナ「拙者もでゴザル。」
バ「分かった分かった、これから泊まる場所へ連れて行ってやるからしばらく我慢してくれ。」
俺達はバンプーの後をついていくと、どう見てもビジネスホテルにしか見えない建物に着いた。
フ「バンプー、お前の城の方が豪華なんだが。」
バ「仕方ないだろ?ダンジョン攻略中はここで泊まるのが規則だ。」
バンプーは皆の恨めしい目で見られながらも、ホテルへ入っていった。
ケ「こんばんワン、いらっしゃいませワン。あたちの事はケルベロちゃんと呼んで欲しいワン。」
ケルベロちゃんがお辞儀をすると、隣でナイトが唾をのむ音が聞こえた。
ナ「犬耳少女でゴザル!」
ナイトは、素早さ以上の速度を見せてケルベロちゃんに抱きつきに行く。ケルベロちゃんはあっさりとかわす。
ケ「お手を触れないようにお願いしますワン。」
ほほ笑む姿は、これこそ女神・・とナイト以外にはそう見えた。後で聞いたら、ナイトにはケルベロちゃんの後ろに獰猛どうもうな犬が唸っている姿が見えたという。
バ「ケルベロ様、お部屋をお貸し頂きたい。」
ケ「相変わらずバンプーは態度が固いワン。メィルを見習い・・やっぱり見習わなくていいワン。」
ケルベロちゃんは一瞬嫌な顔をしたが、即営業スマイルに戻すと、カウンターへ入り、鍵を持ってきた。
ケ「あなた達は2階の201号室から204号室まで使うといいワン。」
バ「ありがとうございます。行くぞ、お前たち。」
俺達は部屋に着くと、それぞれ思い思いに過ごした。晩飯を持ってきてくれたケルベロちゃんに話を聞くと、売店で装備を取り寄せてくれるという事で、シーフはブロンズナイフ攻撃力5に、俺は銅の剣攻撃力5に、マジシャンは樫の杖魔力5に、ナイトは鉄の盾防御力5と鎧防御力5に装備を入れ替えた。
アナザー(とある魔族)
ダ「弱い、弱すぎる。」
ダークはもう2階をクリアしていた。
リ「もうクリアしたんやね?ごっついなぁ。」
見ると、リリスが嬉しそうに浮いている。いつの間に着ていたのやら。
ダ「敵が弱すぎるだけだ、このまま3階に行く。」
リ「ちょー待って、一旦もどらへん?」
ダ「何故だ?魔族には睡眠も食事もそんな頻繁に取らなくても大丈夫な事は知っているだろ?」
リ「3階からは敵もさらにごっつなるし、装備も整えた方がええんちゃう?」
ダ「一理あるな、さらに俺様にふさわしい装備を探そうか。」
俺様はフロントに戻ると、一応ステータスを確認した
ダーク:HP450、MP175、攻撃力50+15、防御力40+4、素早さ43+8.6、魔力50、スキル:槍術(3)、槍術(3)は攻撃力1.3倍、素早さ1.2倍、防御力1.1倍だ
装備:鉄の槍攻撃力15、鎧防御力10
俺様はリリスと一緒にビジネスホテルと呼ばれる建物に入っていった。
ケ「こんばんワン、いらっしゃいませワン。あたちの事はケルベロちゃんと呼んで欲しいワン。」
小さな犬みたいな獣人が居るな。少し脅しておくか。俺様は槍を構えずにノーモーションでパンチを繰り出す。当然寸止めするつもりで。
リ「あっ、また!」
今度はリリスも間に合わない速度だ。俺様のパンチが獣人の目の前で止まる・・・はずだった。
ケ「何のつもりだ?ああん?」
獣人の小さな手が、俺の顔面を締め付ける。ダークに4049956ダメージ中、スキル効果により449ダメージに軽減。獣人がパッと手を離すと、俺様はがしゃりと地面に倒れ伏す。
ケ「手加減スキルだ。2度目はねーぞ?」
リ「またやってもーた!申し訳ありません!」
リリスは、獣人に土下座している。そして、俺様の方を見た、まてっ、今攻撃されたら確実に死ぬから。
リ「なぁ、あんさん。蘇生するから殴らして?」
リリスがゆらりと立ち上がり、俺様のHPを蘇生で回復させた。そして、顔面を思い切り殴ってきた。ダークに156ダメージ。
リ「へぇ、大分固ぉなっとるなぁ。いいことやわ。」
リリスは1発殴るごとに蘇生でHPを回復させた。
ダークに156ダメージ。蘇生、ダークのHPが全快しました。ダークに156ダメージ。蘇生、ダークのHPが全快しました。ダークに156ダメージ。蘇生、ダークのHPが全快しました。ダークに・・・・・。
ケ「そろそろやめとけ、もうMP無いだろ?それ以上やると消滅するぞ。あたちは蘇生する気はねーからな。」
リ「はぁ、はぁ、MPが回復したらまた殴るわ。」
うちは2分後、MPが全快したので、ケルベロ様に再度止められるまでダークを殴った。やっとすっきりしたわ。
リ「さすがに次に何かしたら、魔法を使うで?」
ダ「・・・わかった、気を付ける。」
今回は、ケルベロ様がダークに殺気が無いことが分かっていたので殺されなかったけれど、ラヴィ様の時の様に本気で攻撃してたら今頃消滅していたでしょうね、うちも・・・。
人選、失敗したなぁ。
うちがシクシクと泣いていると、ダークがキョロキョロと建物を見ている。
ダ「何か窮屈な建物だな?魔王城と比べると、廊下が狭いし部屋も狭い。」
俺様の部屋は666号室にした。高いし、惹かれる番号だったしな。
リ「うちはもう疲れたから、帰るわ、ほなね。」
あれだけ俺様を殴れば疲れもするだろう。鎧がもうボコボコで使い物にならない。獣人に言って新調しよう。
俺様は魔槍も改造してもらい、装備は魔槍ペイン改攻撃力30と、騎士鎧防御力20になった。
ケ「お前、メンタル強いよな?あれだけ殺されそうになったのに平気な面つらして。」
獣人は、あきれた様な顔をしてため息をつくが、俺様の野望の前では些細な事だ。
ダ「ふん、いつかは魔王様すら超えるつもりだからな。あの程度の魔族に恐怖など覚えるものか。」
ケ「そうか、がんばれよ!ワン。」
獣人は、何が気に入ったのだろうか?最後にニコリと笑って転移していった。
俺様は部屋に戻ると、次の日の朝まで瞑想して過ごした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます