生徒会副会長 初島七海

「海先輩へ卒業式が終わったら生徒会室に来てください。必ず一人で来てください。……果たし状ですか?」

「えぇ~!? そ、そう見える? というか、勝手に見ないでよぉ」

「ナナパイセンが珍しくスマートフォンとにらめっこをしているので何をしているのかと思うと好奇心がブルンブルンしちゃいまして~」

 ちらりと、どころかガッツリ見えてしまっているナナパイセンのスマートフォンには海パイセン個人とのメッセージ画面が表示されていてその半分が

『七海がメッセージの送信を取り消しました』

 が埋め尽くしていました。

「爽香ちゃん、どうすれば良いかな?」

「それくらいパイセンが考えてください……ってそんな涙目になりながら見られたらさやちゃん頑張るしかなくなっちゃうじゃないですか~ 仕方のないパイセンですね~ スマートフォンお借りしますね」

 さやちゃんはナナパイセンのスマートフォンをお借りして、

『卒業式の後、少しだけお時間頂けますか? 生徒会室でお待ちしています』

 というメッセージを送りました。

「海パイセンの事なので来てくれますよ。ほら、すぐに『了解』って返信も来ましたし」

「爽香ちゃん、ありがとう」

「いえいえ~ 大好きなパイセンのためですから~」

 嬉しそうに微笑みながらスマートフォンを注視するナナパイセンを横目に、さやちゃんは海パイセンに次のようなメッセージを送りました。

『少し早めの卒業おめでと~ございます。ナナパイセンから聞いたとは思いますけど、卒業式の後、生徒会室来てくださいね~ よろしくですっ!』



 卒業式まで残り3日。

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