わくわくとどきどき

「遂に明日だな」

「二人とも、緊張していない?」

「ご心配には及びません。ナナ、今すっごくワクワクしています」

「手が震えて……心がドキドキして落ち着かないです」

 美沙の問いに答えた二人でしたが、私はその答えに驚いてしまいました。

「てっきり七海さんが緊張していて、笑舞さんがやる気に満ち溢れているものだと思っていたのだけれど」

「大丈夫! 二人なら大丈夫!」

 柚鈴さんは二人の背中をバンバンと力強く叩いて励ましていましたが、笑舞さんの不安は取り除けていませんでした。

「笑舞も七海もこの一年間生徒会の役員としてこの学校のために一生懸命働いてくれていたことは俺たち含め、この学校の全生徒が知っている。だから、ちょっとの失敗くらいで評価が変わる事は無い!」

「海の言う通りよ。私も美沙も柚鈴さんも……」

 そのまま二人の名前を告げようとすると名前を挙げていなかった人物からの視線が突き刺さって来ました。

「小雨先生も、笑舞さんと七海さんが当選すると信じているわ」

「本当ですか?」

「美沙たちは笑舞ちゃんやナナちゃんを傷つける嘘は言わないよ」

「ワタシはそもそも上手に嘘なんて吐けないから!」

「だって、笑舞。明日、頑張れそう?」

「……えぇ!」

 笑舞さんは胸ポケットを強く握りしめると力強くそう言いました。



生徒会議事録

 来週には二人とも次期会長、副会長だな。 芹沢

 一人ずつ発表だから例年以上にワクワクドキドキしちゃうね。 美紗

 先ほどまではドキドキの方が強かったですが、今はワクワクしかありません。 笑舞

 ナナもワンダーワクワクしています。 七海

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