はなびたいかい

「この後、何かあるのでしょうか?」

「今日の活動が二十時半までの理由か?」

 ワタシ以外は本日の活動時間延長に関して特に気にする様子はありませんでしたが、ワタシは今日活動時間が異様に延長されている理由がどうしても気になってしまい会長に理由を尋ねました。

「そっか、笑舞はこの辺に住んでいないから知らないんだったな」

「この中では小雨先生を含めて明才高等学校周辺に住んでいないのはワタシだけですが、それにどのような理由が?」

「この辺りでは毎年八月七日に花火大会が行われるんだ。この辺だとの屋上が絶好のスポットだが、千景先輩曰くこの学校の屋上も穴場らしい。……もしかして、花火大会とかって苦手だったか?」

 何故事前に教えておいてくれなかったのかと考えていた顔が嫌そうな表情に見えてしまっていたのか、申し訳なさそうにそう言ってきました。

「そういう訳では。ただ……」

「笑舞は颯くんと一緒に見たいんだよね?」

「笑舞先輩がそう思っていることだろうと思いまして、お連れしましたよ」

 ナナに、

「そんな事は思っていないわ」

 と嘘を吐こうとしましたが、それよりも早く生徒会室に飛び込んできた烏居爽香さんに台詞を奪われてしまいました。

「それと、皆さんの浴衣をご用意しました。海パイセン、さやちゃん優秀だと思いません?」

「あぁ、わざわざそんなことを口に出さなかったらご褒美に頭を撫でてあげた所だよ」

「わぁ~ 嬉しくないご褒美ですね。それよりも、さっさと着替えちゃってください! 花火大会はもうすぐ始まりますし、本編はもうすぐ終わるので」

 相変わらず時折何を言っているのかわからない爽香さんから浴衣を受け取って、会長と颯は談話室で、ワタシたちは会議室で浴衣に着替えました。



生徒会議事録

 笑舞ちゃんは浴衣が良く似合うね。 美紗

 美沙先輩も良くお似合いですよ。 笑舞

 小雨ちゃん先生は大人っぽい着こなしだね! 柚鈴

 一応、大人ですので。 小雨

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