おとこどうし

「えっ!? 会長はもう課題終わらせたんですか?」

「後回しにしたら後で泣きを見るからな」

「毎日少しずつやった方が良いのでは?」

 ふと海の様子を見てみると、海は颯くんや恵吾くんと男子三人で楽しそうに会話をしていました。

「美沙先輩の今のお気持ちを当ててみましょうか?」

 三人の姿を見て、言葉にする事が難しいもやもやとした感情を抱いていた美沙に笑舞ちゃんはそう声を掛けてきました。

「美沙の気持ち?」

「はい、その感情は恐らくワタシと同じだと思います」

「笑舞ちゃんと?」

 そう聞き返すと笑舞ちゃんは少し寂し気な口調で言いました。

「ワタシにはあんな表情で話してくれた事は無いのに……違いますか?」

 美沙自身、それが答えであるのかわかりませんでした。

「同性同士の方が話しやすい話題があるのは理解しているつもりですが、ワタシには見せない表情を見せられる相手がいるというのは少々モヤモヤしてしまいます。美沙先輩は?」

「うん、そうかも。海に対しても感じてしまうし、恵吾くんに対しても感じてしまう。そんなの当たり前のことなのにね」

 海に嫉妬する日が来るなんて思ってもいませんでした。




颯  「恵吾はスポーツとかするの?」

恵吾 「いえ、あまり運動は得意ではなくて」

海  「バトミントンが得意だって聞いたけど?」

恵吾 「それは得意というより好きなだけで……」

颯  「明日少しやらないか?」

颯  「海先輩、バドミントンセットってあります?」

海  「あるよ」

颯  「じゃあ、決まりな」

恵吾 「決定ですか?」

恵吾 「頑張りますけど……」

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