げきからぐみ

「アッスー、どうしよう!」

 普段の登校時間よりも三十分ほど早く登校した私は今にも泣きだしてしまいそうなほど瞳に涙を溜め込んだ柚鈴さんに両肩をがっちりと掴まれていました。

「何があったのか分からないけれど、取りあえず手を離してもらえるかしら?」

「ごめんね!」

「それで、私を頼ってきたのは何故なのかしら?」

「アッスーならこれを知っていると思って!」

 柚鈴さんがポケットの中から取り出したのはドクロのマークが付いたからの小瓶でした。

「前にアッスーが使っているのを見たから!」

「あぁ、そうね。確かに使っていたわね」

 ドクロという物騒なマークに『DEATH』の文字が書かれたその小瓶は私が良く使っているデスソースと全く同じものでした。

「でも、どうして柚鈴さんがそれを? それに、中身が空みたいだけれど?」

「家にあるのをたまたま見つけて……最初はちょっと舐めてみるつもりだったけど、気が付いたら空になっていて!」

「柚鈴さん、ハマってしまったのね」

「アッスー! これはどこに売っているの! これよりも辛いものもあるよね!」

「落ち着きなさい。馴染みの店があるから帰りに寄りましょう。それ、恐らく親御さんのものでしょう? 使い切ってしまったことがバレたら怒られるわよ」

「そうだよね! アッスーありがとう」

 柚鈴さんの瞳にはもう涙はありませんでした。




明日香が柚鈴と笑舞を招待しました。

柚鈴が参加しました。

笑舞が参加しました。

明日香がグループ名を 激辛組 に変更しました。

笑舞  「柚鈴先輩がデスソースにハマったと聞きしました」

柚鈴  「ハマっちゃった!」

明日香 「激辛好きが増えて嬉しいわ」

柚鈴  「激辛最高!」

明日香 「えぇ、最高ね」

笑舞  「最高です」

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