たべほうだい

 いつもの集合時間より一時間ほど遅く生徒会室に集合したワタシたちは、仕事には取り掛からず学校の外へ向かいました。

「あぁ~お腹空いた」

「美沙、朝ごはん食べてきていないの?」

「明日香、もしかして食べてきちゃったの?」

「えぇ、食べてきたけれど」

 明日香先輩のその返答に美沙先輩だけでなく会長とナナも驚いていました。

「これから食べ放題に行くのに朝ごはん食べてきたらすぐに満足するだろ」

「海先輩の言う通りです。折角の食べ放題がもったいないですよ」

「そういうものなの?」

「まぁまぁ、先輩方あまり明日香先輩を責めないであげてください。さやちゃん情報によると明日香先輩は食べ放題のお店行くのは初めて見たいなので」

「そうだったのか」

 爽香さんの補足情報のおかげでワタシたちは明日香先輩が朝食を抜いてこなかった理由に納得しました。

「って、さやちゃん!? 何で当たり前のように一緒に歩いているんだ?」

「海パイセンたちが駅前に出来た食べ放題のお店に行くという噂を耳にしたのでせっかくならついて行こうかと」

「ついて来るのは良いけど、招待券は俺たちの分しかないぞ」

「そこはお気になさらず~」

 そう言うと爽香さんはポケットから会長が阿須那先輩から受け取ったものと同じ招待券を取り出しました。

「これならさやちゃんもご一緒して良いですよね?」

「俺は良いけど……」

 会長はそう言うとワタシたちの顔色をうかがいました。

「可愛い後輩を置いていけるわけがないよね?」

「折角だもの、爽香さんも一緒に行きましょう」

「は~い。美沙先輩、明日香先輩、ありがとうございます~」

 爽香さんは飛び跳ねながら喜ぶと、美沙先輩と明日香先輩の間に入って手を繋ぎ歩き出しました。

 そんな三人を柚鈴先輩とナナは羨ましそうに見つめていました。




爽香  「皆さん今日はありがとうございました」

美沙  「またみんなでご飯食べようね」

明日香 「今度は海抜きで女子会をしましょう」

爽香  「良いですねぇ!」

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