おみやげ

「海先輩たち、お土産は何が良いですか?」

 来週に迫った修学旅行を待ちきれないからなのか、生徒会室に入ってからずっと修学旅行のしおりを眺めていたナナは先輩たちにそう問いかけました。

「そっか、二年生は来週から修学旅行だったね」

「行き先は、関西だったかしら?」

「そうです。ナナ、関西は初めてなので楽しみです」

 そう告げたナナは楽しみすぎて鼻歌交じりにそう答えていました。

「お土産かぁ、関西のお土産ってタコ焼きとかお好み焼き味のものが多いイメージだよね!」

「それは関西というより大阪のイメージが強いけどな」

「会長はやはり、甘いものの方が良いですか?」

「余程辛いものじゃなければ嬉しいけど、あんまり俺たちに気は使わなくて良いからな」

「海の言う通りだよ。修学旅行はあくまでもナナちゃんと笑舞ちゃんが楽しまなくちゃだからね」

「そうですよね。ナナ、先輩たちの分も楽しんできます」

 元気よくそう告げたナナだったが、その後ワタシに

「もし時間が合ったら海先輩たちのお土産探そうね」

 と耳打ちしてきました。



生徒会議事録

 修学旅行の件に関してですが、私も修学旅行に参加するので別の教師に代理をお願いしています。ご不便をおかけしてしまいますが宜しくお願い致します。 小雨

 了解しました。小雨先生も修学旅行楽しんで来てください。 芹沢

 お土産待ってます! 柚鈴

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る