ぜっこう
生徒会の活動は休みでしたが、家にいても暇をつぶせるようなものが無くて退屈していた美沙は学校へ遊びに来ていました。
「おっ!」
校内をフラフラと探索していた美沙は食堂で何かを食べている海を見つけました。
「何を食べているのかな?」
美沙は突然海の向かいの席に座り込んでそう声を掛けてみました。
「うおっ!? なんだ、美沙か。何って、見ての通り月見そばだけど」
「月見そばかぁ」
見ての通りと言われましたが、月見そばのメインであるたまごは跡形も無く崩されてしまっていたので美沙にはかけそばにしか見えませんでした。
「美沙は何か用事か?」
「美沙は暇つぶしに来ただけ。海は?」
「俺か? 俺は、冬休みの友と絶交しに来た」
「その表現面白いね。美沙は冬休み前に絶交しちゃったけど」
きっと海が自分で考えた表現ではないと思うけれど、美沙はその表現がとても気に入りました。
「美沙、これ食べ終わったら絶交の方法を教えてくれないか?」
「つまり教えてって事? この間のテスト勉強を覚えていれば出来ると思うけど?」
「今月末に試験があるだろ? その対策も兼ねて復習したいんだ。頼む」
生徒会の長ともあろう人物が情けないと思ってもいないことを思って見た美沙ですが、ここで断ってしまうと折角、暇をつぶしに来たのに暇になってしまうので海と冬休みの友の絶交に協力することにしました。
「わかった。でも明日香には内緒だよ」
「わかっている。ありがとう」
この時の美沙はまさかあんな未来になるとは想像もしていませんでした。と、伏線めいたことを言っておきながら今の美沙もどんな未来になるかわかってはいませんが。
柚鈴 ミササ! 助けて!
美沙 ユズリンどうしたの?
柚鈴 課題が終わらないよ!!!
美沙 !が三つも
美沙 あとどれくらい?
柚鈴 半分以上!
美沙 随分と手ごわいお友達だね
美沙 絶交のお手伝いしてあげるからユズリンの家に行くね
柚鈴 何を言っているかさっぱりだけどよろしく!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます