めいさいのるーる
「海先輩、目安箱の中に投書がありました」
「新年一発目の投書か。暇していた所だから読んでみるか」
「暇をするくらいなら冬休み期間は毎日活動しなければいいのに」
明日香先輩の小言を笑って受け流した会長はナナから投書を受け取りました。
「えっと? 『校内に持ち込んで良いものと持ち込んではいけないものの明確にしてください』か。確かに校則に持ち込んではいけないものに関する明記が無いから個人の判断にゆだねられている所はあるな」
「学業または部活動、同好会活動に不必要なものは持ち込みしない。それだけの事でしょ?」
「まぁ、それが正論ではあるのだが……」
バツが悪そうにそう言う会長と正論であるはずのその意見に賛成しないワタシたちを明日香先輩は不思議そうに見つめました。
「正論を言うはずの生徒会が業務に不必要なお菓子やらティーセットやらを持ち込んでいるのでワタシたちは強く言えないという訳です」
「なるほど……」
そこで、
「生徒の見本である私たちがそのような体たらくでは生徒会の歴史に泥を塗ることになる」
何てことは言わずに考え込んでしまうあたり、明日香先輩も現在の生徒会を変えたいとは思ってはいないようでした。
「見なかったことにしようか!」
「そうだな……とは言えないだろ」
明らかに言い切ろうとしていた会長は何とか思いとどまって机に額を付けながら唸り始めました。
「そうだ! 制限を付けて許可すれば良いよ! 例えば、休憩時間と放課後の使用に限りゲーム機の持ち込みを許可する! とか!」
「柚鈴さんの案が無難な所だと思うけど、海は?」
「異論は無いが、それを大々的に発表するのなら制限外の使用に関しては厳しい対応をする必要があると思うがどうだろう?」
「そうですね。不必要なものを持ち込んではいけないというのが一般的なルールではあるので特別に許可していると感じられる措置をとる必要はあると思います」
「それじゃあ、その方向で制限を付ける物品をまとめようか。笑舞ちゃん、記録お願いね」
「お任せください」
生徒会議事録
今度お菓子を作ってこようと思うのだけど、煎餅は渋すぎる? 明日香
ナナはおせんべい好きですよ。 七海
ワタシもお煎餅はよく食べます。 笑舞
アッスーお煎餅作れるなんてすごいね! 柚鈴
明日香の手作り煎餅なんて久しく食べてないが、楽しみだな。 芹沢
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます