しんぱい
「もう熱は下がったの?」
美沙は昨日まで高熱を出して寝込んでいたらしい海にそう尋ねました。
「そりゃあ、もうバッチリ治った」
「本当かな?」
普段通り過ぎるほどに普段通り過ぎる海の姿に美沙は疑いの目を向けるのを止めませんでした。
「今日の仕事はDIY同好会のサポート役だから海は大事を取って休めばよかったのに」
「それ、明日香にも言われた」
海は小さく溜息を吐くと呆れたようにそう言ってこう続けました。
「DIY同好会には恩があるから生徒会に仕事を頼んでくれたのにその長である俺が急遽休むなんて無責任な事は出来ないだろ?」
「幼馴染とはいえ明日香ほど海の事は知らないけど、その答えは凄く海らしいと思う。でも、一つだけ確認させて。本当に熱は無い?」
「本当に
「明日香の許可が下りているなら信じる」
明日香の名前を出されただけでホイホイ信じてしまうのは美沙自身の事ながらどうなのかと思いましたが、美沙以上に海を思っている明日香が熱の下がったばかりの海を放っておくわけがないので美沙は海の言葉を信じることにしました。
生徒会議事録
美沙先輩、今日はやけに海先輩と一緒に居ましたね。 七海
そうなのか? 俺は気が付かなかったな。 芹沢
そんなことだから色々な思いに気が付かないんだよ。 美沙
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