12月
ねぶそく
「ふわぁぁぁ」
生徒会室の端の方で仕事をしていた小雨先生は大きな欠伸をしたかと思うと、目を薄く閉じた状態で前後に舟を漕いでいました。
「最近の小雨先生眠そうにしているよな」
「授業の際に定期試験の問題作りで寝不足だと愚痴をこぼしていました」
「学校の先生って大変だね」
美沙先輩は優しく微笑みながらそう言って、ひざ掛けとして使っていた毛布を小雨先生にかけてあげました。
「本当は横になって寝ることが出来れば良いけどね!」
「流石に生徒会室では難しいかと」
ワタシが柚鈴先輩にそう返すと、会長は首を傾げて唸っていました。
「この部屋、無駄に広いから仮眠ができるスペースがあっても良いよな」
「流石に生徒会室にベッドがあるのはまずいでしょ」
「ソファベッドなんてどうですか? 生徒会室にはソファがないので」
「七海、それは良いアイデアだな。ソファベッドなら普段はソファとして使えるし」
「海君、残念だけどソファベッドは備品扱いにならないから生徒会の予算は使えないよ」
生徒会会計として柚鈴先輩がそう言ったので流石に諦めるかと思いましたが、会長は不敵な笑みを浮かべていました。
「それなら問題ない。こういうのを引き受けてくれそうなところを知っている」
「もしかして、日曜大工同好会?」
「正解!」
会長はドヤ顔でそう答えると早速日曜大工同好会へ連絡を取り始めました。
「ソファベッドを置いたら昼休みに生徒会室に入り浸るつもりだろうなぁ」
美沙先輩は呆れたようにそう呟いていました。
生徒会議事録
明後日には出来るって。 芹沢
目安箱に毎週『リクエストがあればいつでもどうぞ』って投書してきているくらいだからよほど退屈を持て余していたのかな? 美沙
電話口の声が聞こえるくらい大喜びしていましたからね。 笑舞
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