第24話 教えて! 狐白ちゃん

 『教えて! 狐白ちゃん』

「はい、こんにちわ。真白狐白ですよ。本日はなんとなく、本当になんとなくこんなコーナーを作ってみました」

『こんにちわー』

『草』

『こんなん草生えますわ』

『お草がお生えになりますわ』

『これさっきツイッターで募集してたやつか』

『狐白ちゃんこんにちわー』

 ネタで作ってみたコーナーではあるものの、ノリの良い皆はすでに順応し始めている。

 さて、そろそろこのコーナーについて説明をしなければ。


「今回は何か教えてほしいことはないかという質問を事前に募集してみました。というわけでまず最初の質問へゴーです」

 早速最初の質問を表示する。

 そこにはこう書かれていた。

『狐白ちゃんのスリーサイズを教えてください』

「はい、まずはボクのスリーサイズですね。前にも言ったことあるかもしれませんけど測ったことないのでわかりません。家族なら知っている気がしますけどね」

『たしかに前に聞いたわ』

『自分で自分のサイズ知らないとかマ?』

『狐白ちゃんの下着って家族が用意してるん?』

『俺が用意するので教えてください!!』

「さすがにボクの下着を用意されるのは辛いです」

 さくっと目についたコメントに返事をして次へ進む。


『狐白ちゃんの靴のサイズを教えてください』

「ボクの靴のサイズは22cmですよ。割と足は大きいほうかもしれませんね」

『小学四年生サイズで草』

『小学生のサイズ知ってるの草なんだが』

『ちっちゃかわいいだと!?』

『もしかして狐白ちゃんってロリ?』

『十八歳ロリか。合法か? いや、妖狐だしな』

『お持ち帰りしたい』

『ヤベー奴いて草』

「お持ち帰りは提供してませんよ? あ、でもうちの兄様がフィギュア作るそうなのでもしかしたら売りに出すかも? です」

 さらっと兄様が企画しているイベント情報を出しておく。

 ちなみにボクの妖狐フィギュアは弥生姉様のフィギュアと同時発売する予定だ。

 発売元は夢幻酔だけどね。


『狐白ちゃんは妖狐ということですが、尻尾は一つだけなんでしょうか? あと九尾の場合とか尻尾がどういう風に生えてるのか教えてください』

 珍しく妖狐についての質問がやってきた。

 妖狐系Vtuberとしてやっているけど本物の妖狐でもあるのでこういう質問は得意中の得意だ。

「ボクの尻尾は一つですよ。ちなみに九尾の人も尻尾は一つです。ほかの尻尾は長い月日で蓄えた妖力が具現化したものなので一種の妖力タンクですね。でも質感はちゃんと尻尾ですよ?」

『意外な事実で草』

『妖狐の秘密ってそうなのか』

『ほかの妖狐系Vtuberには聞いたことなかったけど、狐白ちゃんはそうなのか』

『九本生えてたらどういう風に生えているのか気になってたから助かる』

『狐白ちゃんの尻尾触らせてください。モフりたい』

「ボクの尻尾は触らせませんよ? 尻尾は敏感なものですからね。犬や猫にも同じことが言えますよ?」

 尻尾に関する注意事項を簡単に周知しておく。

 妖精郷にいると時々子供たちに触られるので毎回困る問題でもある。

 怒らないけど許しているわけじゃないからね?


『狐白ちゃんの友人がVtuberデビューするそうですが何人くらいになるんですか? またどんな子たちですか?』

 事前に皆には教えてあることだけどやっぱり気になる人は多いよね? 特に性格とかそういうところなどね。

 すでに彼女たちにはどういうスタイルで行くのかは確認を取っている。

「先にデビューするのは結構多いですよ? 六人です。そのあと追加三人ですね。先にデビューする六人はボクと絡んだりすることが多いですけどみんないい子ですし。簡単に性格を説明すると不良みたいな男の子っぽい性格の女の子と紳士的な女の子、可愛らしい女の子という感じの子に反応は淡々としてるけどちゃんと話を聞いてくれるちょっと無機質な感じの女の子、元気で可愛らしい女の子、間延びしたのんびり屋な女の子です。好みの性格の子がいるかもしれないですね」

 ざっくり説明するとこんな感じになる。

 ちなみに一番初めから酒吞童子、茨木童子、熊童子、金熊童子、星熊童子に両面宿儺となっている。

 皆優しい上に可愛らしい子たちなので遠慮せずに絡んでほしいと思っている。

「そんな感じなので下品でしつこくしすぎない限りは笑って許してくれる子ばかりですよ。ボクの放送と掛け持ちしてくれるとありがたいです。よくうちにも来るので勝手にコラボになったりしますけど」

『一粒で二度おいしいってやつだな』

『女の子ばっかりなのか、ちょっとチェックしなきゃ』

『いろんなタイプの子がいるなぁ。もしかして狙ってる?』

『ぜひデビューはコラボでお願いします!!』

『ボクっ子も好きだけど男っぽい女の子もいいな~』

『無機質な感じの子すこ』

『元気系っていいよね。最高に尊いと思うわ』

『間延びした感じに話すのんびり屋の女の子と一緒に昼寝したい人生だった』

『まぁ狐白ちゃんが一番なんですけど』

 それぞれの性格をざっくり説明しただけだけど、結構前評判は良さそうだ。

 実際いい子ばっかりなので末永く愛してほしいまである。


「あ、言い忘れましたけど、最初の六人は統一されてて鬼系です」

『鬼っ子最高!!』

『鬼っ子キタコレ』

 鬼っ子の話をした途端に鬼っ子マニアたちが騒ぎだしてしまった。

 視聴者の皆の性癖って本当に色々あるよね。

 ボクはこう言った性癖の話を見たり聞いたりするのは好きなのでいつでもやってほしいと思っている。

 ボクにだって色々性癖はあるしね。


『狐白ちゃんは恋人にするならどんな人がいいですか』

 この手の質問はたまに来るけど、どこかで一階は答えておく必要があると思っていた。

 もちろん答えてもまた来ることもわかっている。

「う~ん、色々ありますけど一番は頼れる人かな? ちょっとしたことでもおどおどしない人とかいいと思います」

 何かにつけてビックリされても困るというのもある。

 特にボクたちの住む場所は結構驚くこともあるので必須ともいえるかもしれない。

 ちなみに妖種は男女の恋愛でも同性の恋愛でも問題はない。

 特に妖狐なんかは男性にもなれるので「こうでなければならない」というものは存在していない。

『お、度胸ならだれにも負けないぜ!』

『頼れるって度胸だけじゃないだろ』

『女だけど狐白ちゃんのためなら頑張るよ!』

『男に渡すくらいならうちが』

『ここは百合の園だったのか!?』

『質問の意図はわからないけど、狐白ちゃんは男女について言及してないからな~』

 ボクの恋人像の話で皆盛り上がっているけど、女性の立候補者が多いのには驚いた。

 問題はないのだけど、こういう話題に食いつくのは男性のほうが多いと思っていたから余計にだ。

 でも考えてみると『好き』に男女は関係ないから当たり前なのかもしれない。


「というわけで今回はここまで! 次回またやるかもしれないのでその時をお楽しみに~。質問はいつでも待ってま~す」

 こうして温泉でのボクの配信は終了した。

 ちょっとした企画だったけど好きな人がいればいいんだけど。

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