第84話 守る理由。
僕はしがないサラリーマン、身体も脆弱な部類だろう。
でも独特の想像力を小さな頃から頭の中の記憶の扉に蓄えて来た。
その想像力はもしかしたら過去の出来事の記憶なのかも知れない。
夢の中でその扉を開けて想像だと思っている世界を散々泳いで来た。
今、目の前の世界もその夢の一つに思えないでもなかっただろう。
ちるなに出会う前までは…。
現在の日常に彼女が現れる様になって僕は悟った。
僕は夢と現実双方を生きる存在なんだと。
現在を現実世界と呼ぶなら、この世界は淡々と日々は過ぎる。
特に日本人に生まれたこの身は余程のことが無い限りは平々凡々と過ぎる。
沢山の本を読みいろんな人に会って分かってきたことがある。
この平々凡々と過ごす日本人としての日常は既に崩壊して来た末期の終わり方の状態なんだと。
世界の人々が絶賛する日本人の道徳心の高さは今の日本人ではなく過去に遡るほどに血濃ゆく記録されている。
そして夢の世界で垣間見た日本人の生き様。
清く誇り高く切ない程美しいその魂を夢の世界で多く接するが現在の世界では真逆な存在ばかりが目に付く。
一体何処に賛美されていた日本人は消えたのだろうか。
仏教の世界観に輪廻転成があるが、現在に輪廻する比率が下がっていないのだろうか。
極悪な魂の比率が増していないか。
この日の本でさえも理不尽な極悪な事象が頻発している。
そしてこの事象の姿が今ここで確認できました。
人と寄り添いながら人の成す行いを具現化して、良いも悪いも共に生きて来た妖怪の皆さんの多くは現在の現実世界からこちらの夢の世界に移り住んでいる。
日本人の為に身を犠牲にして戦い抜いた自衛隊のお二人もここに居る。
幼馴染を助けようと命を散らした勇也もここに居る。
遠くバビロニアで最愛の主人を無くした無垢な子猫もここに居る。
人の煌びやかな魂をこよなく愛する叙実詩の旅人もここに居る。
幽界の罪人から人を守り続けた紳士もここに居る。
森羅万象を極めても尚人を愛し続けるドルイド僧もここに居る。
過酷な鍛錬と鉄の意志で絆を結ぶ高尚な忍びの長もここに居る。
人の清き魂に憧れ続ける無垢なセルロイド人形姫もここに居る。
人が好きで堪らない孤高の幻魔もここに居る。
世の理の探求に取り憑かれた智の探求者もここに居る。
そしてダーナ神族のケルノンクスの盟友であり神話の世界をも渡り歩く清廉潔白の我が友もここに居る。
僕の持てる力を全力で投入して守らねば成らぬ世界がここにあります。
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