第10話 「愛を叫ぶのはまだ早い?」 その3




 なんて憂鬱な時間なのだろうか?


 私の目指していた学校生活とはこんなものだっただろうか?

 

 彼には勉強ができるだろうと褒められたが、私は勉強が苦手だ。それこそ、四葉ちゃんのように壊滅に不得意であるとか、そういう感じのものではない。


 だが、総括してみて苦手であるということは知っている。彼のように効率的に物事を考える事なんて私にはできない。まず、最初からそんなことできるわけがない。四葉ちゃんだって壊滅的に不得意だと言ったが、かくして本当にそうだろうか?


 否、私は違うと思う。


 国語の点数を見れば一瞬で分かる。あれは本を読んできたことから培われ力であることも知っている。


 だが、私にも確固たる自信がある。部屋を見て分かる通り、多くの本を読んできた。小説に、新書、自己啓発から海外の作品までそのすべての本を手にしてきた。数えていないから正確な数は分からないが恐らく一万冊は読んできた自信がある。


 でも、だけれども、私は現代文の点数はさして変わっていない。


 なぜか、なぜだろうか? 


 国語なんて本を読めばできるだろうと馬鹿を言った人間を私は今すぐにどぶ沼にでも突き落としたい気分だ。


「あぁ、部活行こうか~~」


 私は独りでに呟いた。

 周りには何も聞こえていないだろう。


 なんとなく、辛かった。


 なんとなく、なんとなく、なんとなく、私は世界に刺激を求めようと思った。



 そして、ふと思ったのだ。


 彼に告白しようと、才能のない無理していない私を受け止めてもらおうとそう思ったのだ。


 ここで彼を手に入れれば、変わるかもしれない。四葉ちゃんが兄弟であると知った今、ライバルはもういない。


 だからこそ、何もない私のためにも。


 私は彼を手に入れようと思った。




<あとがき>


 急な物語展開、いやそう思う人もいるとは思いますが僕的には人間、いつもこんな感じなのではないでしょうか? 最近、ふとこんな気持ちで思いをぶつけました。結果、皆からは憎まれるかもしれませんが僕は成功しました。


 だからこそ、この作品の第一部として彼女に印籠を渡したいと思い今回の展開を作りました。


 もうすぐ、10万文字。

 そして、第10話。


 この文字数をもって、彼には二人のどちらかを選ばせてみようかと思います。

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