何かが


おれの中で何かが壊れた

大切な何かが

まあいっか

おれはそう呟いて

ソフトクリームをぺろぺろ舐めた

ぺろぺろは脳を活性化する作用がある

おれは直射日光がひたすら眩しいと思っていた

通りの向こうから絶望が歩いてやって来た

おれは言った

「複雑骨折にしてやろうか?」

あの頃なんてもう二度と訪れない

そんなことわかったうえでこう言っている

絶望が泣いて命乞いを始めた

それを見下ろすおれは質問をぐっと堪えている

一体、誰を殺せばいいんだ?

だがこんな奴に言ったって無駄だ


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