天使は去った


心の中に

咲いた花に

優しく出来ることを

わたしはもう隠したりはしない

次々と

歪んでいく景色の中で

たとえ取り戻せない想いだとしても

積み重ねるようにして

ようやくここへと辿り着いたから

本来、呼吸をする場所が

ここではないと知りつつも

死ぬまでは生きるだろう

天使は去った

一体どれだけの価値があるというのか?

この場所に

光は切り刻まれ

もはや修復は不可能

戻れない道を

ただひたすら先へと進む

そして正確に道を踏み外す

どうしてだろうね?

ある日わたしたちの世界から天使が消え去った

「きっと、またすぐに姿を現すよ」

きみは言った

あれから一度も姿を見せることはない

取り残されたわたしたち

太陽によく似た人工灯を設置しそれを希望と呼ばされている


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る