夢、破れて


何も無い

おれはもう空っぽなんだ

信じられないかもしれないが

人を突き動かすのは情熱だ

もう一度、言おう

情熱だ

おれにはもうそれが無い

冷たい手首で

いろいろと終わりにする季節の到来

さよならを言う相手もいない

だから黙ってこの部屋を出て行こう

そして誰もそのことに気付きやしない

やれるだけのことはやったと

納得、出来るなら良いが

そんなものは所詮、欺瞞だろう

今のおれには絶対、手に入らない特別な何か

そいつが必要なのだろう

ああ………

おれは一体、何を期待していたのか?

自分専用の椅子が何処かに用意されているだなんて

そんな甘い夢を抱いて


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