ある先端


先端は折れた

ぱきんと音を立てて

まるでそうなることが

自然なことであったかのように

折れた

いや

折られたのだ

先端はある悪意の直撃を受けて

折られたのだ

集中攻撃にあった

とても残念だ

あんなに良い先端は滅多にお目にかかれない

「再生可能だろうか?」

おれは尋ねた

専門医が言った

「前例はありませんおそらく無理でしょう」

「なんとかなりませんか?」

「よくあることですので諦めてください」

「死ねよこの屑野郎」

先端は折れた

折られた

そしておれたちは時々、思い出すのだ

それ以外の時は一切、思い出さなかった

ああ………

あれは本当に良い先端だったなあと


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