無能の人


椅子に座っていた

行儀良く

手を重ねて

それを膝の上に乗せていた

だが頭の中身はとろけるシチューだった

なんとか頭蓋骨の壁によって

その流出は阻まれていた

時間の問題だ

きみが馬鹿だということがばれる

もしきみが少しは利発そうに見えるのなら

それは何も考えていないからだろう

試しに何か質問してみるといい

「バナナはおやつに入りますか?」

数秒後きみは答えるだろう

「………え? バナナ?」

出来るだけ早く幻滅させておいた方が良い


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