きみの質問は


悪いが

きみの質問は間違っている

質問が間違っている………そのようなことが起こり得るのか?

ああ

残念ながらね

「都会にトナカイはいないのかい?」

きみはさっきそう言ったよね

だがそれは既に間違えているのだ

正しくは

「トナカイかい? え? 貝? 家の向かいに貝の疎開部隊が結成なのかい?」

わかったな

わかったら一緒にムーミンの再放送を観よう

ムーミンを観る時はテレビから離れないといけない

ムーミンに食べられてしまうからな

ムーミンは可愛い

ムーミンは脊椎動物

ムーミンはノーパン

それらは全て真実だ

ムーミンの秘密の部位は常にわたしたちに提示されている

目を凝らせ

ムーミンが幼なじみのメスに会う時、微かにそれが隆起しているのを

その瞬間を家族みんなで目撃し合って話しのタネにするのも良いだろう

「あ! ぼく今なんか見えたよ」

「嘘だあ、お父さんには何も見えなかったぞ」

「おかあさんは?」

「お母さんはバッチリ確認、ずる向けの包皮がぼんやりとした顔に似合わず既に大人の男って感じ」

画面の中のムーミンはわたしたちを無視しておしゃべり

家の中をドタバタと駆け回って今日も大騒動

せっかくの休日に家で休んでいたムーミンパパはたまったものではない

「パンティーを二枚やるから、消えてくれないか?」

突如ムーミンパパからそのような提案が成される

こんな名ゼリフが続々と飛び出すものだからこのアニメからはひと時たりとも目が離せないのだ

ムーミンたちはきょとんとした

「お父さん、パンティーって何?」

「パンティーはパンティーだよ」

「何が?」

「ふむ、哲学か、知恵が実るなあムーミンたちといると、ぐんぐんと知的好奇心を刺激されるからすごいよ」

ここでエンディングのスタッフロールが流れる

毎回、クオリティーが神!


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る