久美子


おれは

久美子だった

そしてきみは

その久美子に

中出しをしたがっていた

なるほどな

状況はだいたい把握した

久美子は言った

「おい、久美子の中にお前はそんなに出したいのかよ?」

げらげら笑いながら

目の前の男が哀れになってきた

きみは

「久美子、愛してる」

と言い

久美子の腰を掴み始めた

そして勝手にはあはあ言い出したのだった

行為を終えベッドの上でごろんとなった

おれはうつ伏せのそいつの背中を見つめた

(さてと………)

おれはバスルームへ行き股間の中に指を突っ込んで精液を掻き出した

「あらよっと」

片足をひょいと上げほじくり始めたのだ

視線を感じ振り返るとそこにきみがいた

「………お前、誰だよ?」

おれは黙り込んだ

「久美子じゃないのか?」

だからさっきから言ってるじゃないか

久美子なんて奴はもうこの世界の何処にもいないんだよ

おれが食っちまった


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る