ファンタジックロリポップ
かわいいものが好きだ。綺麗なものも好きだ。完成されたなにかがこの上ない無上の存在に思えてくる。
彼女はそう言いながらころりとした小粒のなにかしらを出してきた。ころころと十粒ほど。模造ではなく本物のダイヤモンドらしかった。光を跳ね返して輝いている。
「これが、チョコ」
犬の名前だそうだ。チョコレートのようで可愛かったらしい。
「これがマーガレット」
猫の名前らしい。従姉妹の持っていた少女マンガ雑誌から名前を拝借したそうだ。
「これはマリーゴールド」
人のあだ名らしい。先日亡くなり、葬儀では人目もはばからず号泣したそうだ。彼女と共にいるところをみたことがある。輪郭線がすらりと伸びた、美しい人だった、と記憶している。
「ねえ、貴方も素敵よ」
にっこりと微笑まれて閉口した。お菓子も少女漫画も花もいまいちである。ミザリーかシャイニングかダンサーインザダークと名づけて欲しい。
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