全国大会目指して頑張るマーチングバンド部の物語。
〇第一章 (一年目・夏)
八峰高校吹奏楽部、通称『八峰スワン』は、マーチングコンテスト支部大会に毎年出場するマーチングの実力校。ただ、初出場にして全国大会金賞の快挙を成し遂げた十年前と比べると、栄光からは少し遠のいていた。
主人公の相良笑子は、そんな八峰高校吹奏楽部に入部した一年生。かつて部に在籍していた従姉妹・相良つばさに憧れて、マーチングのリーダーであり、指揮者でもある役職『ドラムメジャー』を志願している。だけど笑子には、自分ではどうにもならないある『ハンデ』があって……。
ニガテな先輩、対立する意見、ひたむきな憧れと、揺れる想い。すべては、ただ最高の演奏をするために。高校生たちの、全国大会出場を目指す熱い夏が始まります!
〇第二章(二年目・夏)
二年生トランペットパートの甲賀雨里は、定期演奏会のあと、三年生の升野善司から、「今年もコンテストに出る」と報告を受ける。善司の参加は人材不足のトランペットにとって思わぬ僥倖だったが、雨里は複雑な思いを抱く。
トランペット以外のことは軒並み平均以下だ、と自身の存在価値を疑う雨里。対して善司は性格も良くて勉強もできる、(しかもイケメン)まさに完璧超人。
彼がいるかぎり、自分は必要ないのでは……?
しかも雨里と善司はトランペットソロをどちらが吹くか、競うことになる。
さらにさらに、善司のとなりにいるうちに、雨里は自分が善司に惹かれていることに気づいてしまい……。
主人公の年齢:16歳
朝読小説賞キャッチ:高校吹部を舞台に、一歩踏み出したい人に贈る、憧れと挑戦の物語