第41話 百式入手
俺は壱式との戦闘に勝利して、零式に新たな機能。
サイズ可変能力を手に入れた。
これにより15mサイズまで、巨大化が可能になり、ミコが最大サイズの30m大になった姿とも、バランスが良い。
「でも今回の戦闘で、俺達って言うか、俺に足りない部分は良く解ったよ」
「ん? 勇気君に何が足りないの? 皮の中身の膨張率が常時剥けるバランスまで
は育つ必要性は感じるけど、他は十分なんじゃない?」
「里香、皮の中身の問題はそんなに言わなくてもいいだろ? ちゃんと剥けるときは剥けるんだし」
「でもね、トランスフォーム解けた瞬間に、風向きによっては少し、独特の臭いがしてるよ? 私は嫌じゃ無いけど」
「そんなのみんなの前で言われたら、めちゃ恥ずかしいだろ」
「大丈夫だよ、みんな、勇気君が居ない時の話題は、皮の中身の話くらいしかして無いんだからね!」
マジかよ……
女子トーク恐るべしだな……
「その話じゃ無くて、俺自身が元々普通の高校生だから、いくら身体強化や、力強化の上乗せでステータスアップしてても、戦闘技術とか格闘術の経験が無さ過ぎて、今回みたいな苦戦になっちゃう事が、これからも頻繁に起こりうると思うんだ」
「修行でもするの?」
「恐らく、きちんと教えて貰えれば、、覚える事自体は早いと思うから、少しは習っておきたいな」
「それなら、防府基地に戻ればある程度は、基礎くらいなら教えて貰えると思うけど……」
「そっか、美里さん今度基地に戻った時に、教えて貰えるように頼んで貰えるかな?」
「一応伝えてみるけど、勇気君と同じレベルの速さで動ける人がいないから、達人クラスの人と組み手をやっても、練習になるかどうかは疑問だけどね?」
「その問題はあるか…… 百式を手に入れて、その人に使って貰って、ロボ同士の組手とかなら、能力差も埋まるかも知れないから、百式を手に入れたいよね」
「じゃぁ頑張って、お酒集めなきゃね」
それ以外の能力は、熊本ダンジョンを攻略した時点で確認すると、トランスフォームベジタブル系がイメージだけで作物を何でも選べるように進化してた事と、ゴーレム系の能力も、統合されていて、『トランスフォームプラント』『マスターゴーレム』という名前にそれぞれ変化していた。
このトランスフォームプラントって言う名前を見ると、俺のトランスフォームみたいなギフトじゃ無くて、スキルとしてのトランスフォームなのかな? と思える。
それだったら、不動スキルを他のスキルに入れ替えれば、ちゃんと動ける植物人間になれそうだよね? 俺と同じ、トランスフォームだとしたら解除すれば、普通に人間の姿に戻る事も出来る筈だし、そこまで難しく考えなくても良いのかもしれないな?
「よし、ギャリオンに合体して、物資調達に出発するよ」
「「「はーい」」」
ギャリオンで空を飛びながら、九州内の各県を廻り、まだ燃え落ちて無く、人の存在も確認できない場所を回りながら、物資を調達した。
海沿いを中心に飛び回ると、石油コンビナートも2か所無事な場所が有ったので、美里さんに頼まれて、タンクローリー車両に給油後、収納して置いた。
20トントラックで30台分あるし少しは持ちそうかな?
美里さんの中では、北部九州への移住計画で、重要なキーアイテムになるからって言ってた。
食品類は、流石にスーパーやコンビニは既に枯渇状態で、主に物流センターと呼ばれる場所を回った。
運送業者の基地では、結構な物資が手に入った。
そう言う所を廻るのって、高校生の俺や里香じゃ思いつかないから、美里さんがいる事の利点は多いよな。
やっぱりこういう事態になってると、飲料水は最優先で持ち出されているパターンが多いけど、アルコール飲料は比較的何処に行っても手付かずで残っている事が多かったので、恐らく、百式を譲って貰えるには、十分な量が確保できたんじゃ無いかと思って、博多ダンジョンへと愛美に頼んで転移した。
それぞれが取得している能力は、ギャリオン形態だとそのまま使用可能なので、結構効率は良い。
◇◆◇◆
でも、生き残ってる人達は、どうして行きたいのかな?
融合や、トランスフォームの能力を手に入れる事無く、地球上で生きていくのはこの先、とても厳しいと思うけど、人間から変異してしまうのには抵抗はあるよね。
きっと、ラノベで見かけるような、結界の発生装置の様な物が開発されれば、その辺りの問題も解決するのかも知れないが、既に変異してしまった人類との共存は可能なの? とか新たな問題が必ず起こる筈だ。
俺なんかがそんな事を考えてもしょうがないか。
少なくとも国内のスタンピード程度の事は、すべて解決してしまってからじゃ無いと、話のしようもないかもね。
◇◆◇◆
俺達は、博多の4層までダンジョンリフトを使って降りると、ギャリオン形態のまま、隠し部屋へ入って行った。
豆の木もちゃんと存在したので、ここに居てくれたようだ。
ギャリオンで一気に雲の上の街まで登って行った。
「ドーガさん。お酒持って来たよ」
「おー勇気か、この間置いて行ってくれた酒。あれはうまいなぁ。豆から作った酒とは大違いだったぞ」
「気に入ってくれたなら、良かったよ。今日も沢山持って来たから、そろそろ百式譲って貰えるくらいはあると思うんだけどな?」
「そうかそうか、壊れた部分の修理もすでに終わっておるからな。引き渡しはすぐにでも出来る」
そして俺は、大量のお酒と引き換えに、金色に輝くギャリオン百式を、譲って貰った。
「百式は、搭乗は出来ないんですか?」
「出来るぞ。胸部ハッチの中に乗り込んで、機体とシンクロをすれば、より体感的な操縦も可能だ。ただし受けたダメージの体感もかなり激しいから、あまり勧める事はしないがな」
「そうなんですね。そう言えば熊本ダンジョンの最終階層で壱式と戦いましたよ」
「ここに来ているという事は、無事に勝ったようだな」
「それがですね、ロボ戦ではほぼ負けてました。その時に自分の操縦技術や、それ以前に格闘技術なんかの不足していることを痛感したから、その辺りを学びたいんですけど」
「ドワーフの集落は、ここだけでは無いから、他のダンジョンを廻っているうちに、違う集落に辿り着く事も有る。集落を独立させるための条件が、ギャリオンの完成なんだ。他の集落に辿り着き戦闘経験を積んで行けば、その辺りは勝手に成長するさ。壊れたら、修理は出来るからな。ただしそれ相応の酒と、魔法金属は必要だがな」
「そうなんですね。人類が生き残っていくための結界技術何て言うのも存在するんですか?」
「それも、集落によってはそう言う技術に長けた所もある。ダンジョンマスタークラスの攻撃でなければ、退けられる程度であれば、この集落でも十分に提供できるぞ」
「えーと、それってやっぱり支払いはお酒ですか?」
「当然だ。他の物を貰っても何の役にも立たぬからな」
「今回勇気が持って来た酒で、結構量が多かったから、100平方㎞(一辺10㎞の正方形)タイプの、結界なら譲ってやれるぞ?」
「助かります。是非譲って頂きたいです」
「では、渡して置こう。結界の維持にはダンジョンで獲得できる魔核が必要となる。燃料切れには気を付けろよ?」
「えーと、ドーガさん魔核って発電に使えたりしますか?」
「当然だ、エネルギーの塊だからな」
「発電装置って、ドーガさんの所で用意出来ますか?」
「その結界発生装置内で使う部分で有れば、何も困らぬ程度の電力は確保できるはずだ。魔核収納庫から、直接電力は取り出せるぞ」
「すげぇ」
超高性能な、結界発生装置を手に入れたけど、これは何処でどう提供するのが正しんだろ?
勝手に俺が人の土地で展開しちゃダメだよね?
まぁ、美里さんに丸投げかな?
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