第30話 熊本③

 ダンジョン内に突入すると、今までの道中と同じような流れの中で、俺がアブソリュート0絶対零度の領域を展開しながら、凍り付いたゴーレム達を、爪で粉砕して行く。


 このダンジョンでは今の所ゴーレムが土属性のボディをしてるせいでミコが有効な攻撃手段を持たないが、敵のランクは高く無いので、殴りで頑張ってる。

 下層に金属系のゴーレムが出たら雷が有効になる筈だからそれまでは撲殺頑張れ!


 里香と美里さんは、ウルフの豪爪の能力で凍ったゴーレムを砕き、愛美さんは、香奈さんとコンビで強酸で表面を溶解させて、核を露出させたところを、一角うさぎの角を刺して破壊して行く。


 中々の連携だな。

 香奈さんが、フェロモンのスキルをバーニングに入れ替えた。


 俺もどんなスキルなのか興味があったから、早速使って貰ったら、体が真っ赤に燃え上がり、触れる物を燃やし尽くすと言うスキルだった。


「香奈さん、熱く無いの?」

「えーと、大丈夫です。身体は熱く無いですね。こんなに燃えてるのに不思議です」


「そうなんだぁ、まぁ凍り付いた相手をその姿で殴れば、砕け散りそうだし、結構使えそうだね」



 そう言って発動したままの状態で、2層まで進み、隠し部屋を発見した。

 敵は居なくて宝箱だけが有った。


「ミコ、開けても大丈夫か?」

「大丈夫なのじゃ」


 俺が、宝箱を開けると、中から兜? と言うにはちょっとカッコいい金属製のマスクが出て来た。

「なんだこれ?」

「ちょっとロボットアニメの頭部の様な感じですね」


 鑑定をしてみると、『ギャリオン零式頭部』と書いてあった。

「どうやって使うのかな? 取り敢えず装着してみるか」


 そう言って俺はトランスフォームを解いた。

「この後は一気に下まで行きたいから、少しここで休憩するぞ」


「「「「はーい」」」

 そう返事が有って、香奈さんもバーニングを解除した。

「あ………………」


 体は別に問題無かったが、全身が灼熱の炎の様になって居た香奈さんの服は熱に耐えられるわけがなかった……


「裸族が2人に増えましたね。ここでプレーを始めないでね?」

 そう言いながら美里さんが俺と香奈さんを交互にガン見してた。

 里香と愛美も、香奈さんの身体に興味を示してるようだ。


「キャッ」っと言って胸を手で隠して俺に対して後ろ向きにしゃがみ込んだ香奈さんの姿が中々エロい。


 蟻化の影響だろうけど、お尻だけは他の子に比べると、プリっとしてて、少しあめ色に透き通った感じに見える。

 ヤバイ股間が反応しそうだ。


 俺は必死で脳内で素数を数えながら、収納から服を取り出し、身に付けた。

「香奈さんはジャージが良いの?」

「はい、ジャージでお願いします」


 俺の大量の在庫の中から下着とTシャツと、ブランド物のジャージを取り出して渡した。


「香奈さんって、脱いだら結構スタイル良いんですね。羨ましいなぁ」


 ジャージを着た香奈さんが、声を掛けた里香に対して答えた。

「全然そんな事無いですよ」

「あ、香奈さん…… そう言いながらちょっとだけ顔がドヤってる」


 愛美に突っ込まれていた。


 まぁそれは良いとして、この兜だ。

 ヘルメットと言うには、ちょっと頭を入れる部分が小さいな。


 触って見ながら、装着ってイメージしてみたら、俺の身体が兜に吸い込まれて、転がった。

「わっ、ちょっと何だこれ」


 慌てて解除ってイメージしたら、無事に兜から出る事が出来た。

「良く解んないが、頭だけじゃ動けない感じ?」


「びっくりしましたよー。もしかして他にもパーツが有るのかな?」

「ミコ、アカシックレコードに聞いて見てくれ」


「了解なのじゃ。………… あーまだ見れないのじゃ。じゃがレベルⅥの知識で見れない項目なら、逆に言えばかなりのレアアイテムなのじゃ」

「そうか、取り敢えず仕舞って置こう。このダンジョン内で他の部分も揃ったらいいけどな」


 それから、食料を取り出してみんなでコンビニ弁当を食べ、探索を再開する事にした。

 3層に降りると、アイアンゴーレム☆3とロックゴーレム☆3の2種類の敵になり、今度は香奈さんの強酸とミコの雷が、無双をする。


 特に強酸はアイアンゴーレムを瞬間でさび付かせ動けなくさせた。

 ドロップは魔核と魔鉄のインゴットが落ちる。

 このダンジョンでは、ここまでにポーション系は出ていないので恐らく魔核以外では、鉱物系しか出ないのかもしれない。

 そして3層にも隠し部屋があった。

 ここでは『ギャリオン零式右腕ライトアーム』が手に入る。


「おお、これはこのダンジョン内で全てのパーツが揃う可能性が高いぞ。楽しみが増えたな」

「ねぇギャリオンって全部揃ったら合体ロボみたいにるのかな?」


「絶対では無いけどその可能性は高いよな」


 この階層ではラヴァゴーレムが出なくなったのも有って、俺はエンシェントドラゴンにトランスフォームして残りの階層を進む事にした。


 更に4層へと進むと、

 クリスタルゴーレム☆4 スキル『ヒーリングレイ』

 シルバーゴーレム☆5 力強化Ⅳ

 隠し部屋からは『ギャリオン零式左腕レフトアーム


 5層では、ルビーゴーレム☆5 スキル『ヒートレイ』

 プラチナゴーレム☆5 力強化Ⅴ 

 『ギャリオン零式右足ライトレッグ


 6層では、サファイアゴーレム☆5 スキル『アイスレイ』

 ミスリルゴーレム☆5 力強化Ⅵ

 『ギャリオン零式左足レフトレッグ


 7層では、オニキスゴーレム☆5 スキル『ダークネスレイ』

 オリハルコンゴーレム☆5 力強化Ⅶ

 『ギャリオン零式胴体ボディ


 8層では、ダイアゴーレム☆6 スキル『ホーリーレイ』

 アダマンゴーレム☆6 力強化Ⅷ

 『ギャリオン零式ウイング



 翼まで入れると部品が7つだな。


 他にもオリハルコン、ミスリル、アダマンタイン、を始めとした魔法金属や、各種宝石の原石など、かなりのドロップを手に入れる事も出来た。


「ミコ一つ聞いても良いか?」

「なんなのじゃ」


「8層の敵が、☆6だと最終階層のボスって☆7の可能性が高いよな?」

「その通りじゃな」


「だったらさ、ここを今攻略しちゃうと貴重な鉱石資源が手に入らなくなるから、後回しにした方が良いのかもな。それにこのダンジョンで手に入れたギャリオン零式が気になるし、一度戻ろうか。みんなはどう思う?」

「あー私達は、勇気に従うでいいよ。自分たちだけで何とか出来るとは到底思えないしね」


「そうか、じゃぁこの8層の隠し部屋でちょっとギャリオンを調べたいから協力してくれ」

「「「はーい」」」

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