200光年のスリーピング・ドール

作者 手の目

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★★★ Excellent!!!

SFの魅力の1つは、スケールの大きさだと思います。
数百・数千年先の未来であったり、地球から遠く離れた宇宙空間にポツンと浮かぶステーションであったり、普段の生活では決して見ることのない世界が広がります。

そんな桁違いの時間・空間の中で生まれる孤独は、日常で感じるそれとは違う味があるように思います。
この作品で感じる孤独は、舞台のスケールに比例して圧倒的であり、かつ絶望的です。

そんな恐ろしい孤独の中で、微かにもたらされる優しさはまさしく一筋の光のようでした。
ただ、その優しさは希望と呼ぶにはあまりに微かで、絶望を払うことはできません。
優しさはただ、絶望的な孤独 をありありと照らし出し、孤独はわずかな優しさを際立たせるのです。

この2つの競演を、読者は遠くで見ることしか出来ません。
この作品の主人公は、私達とは遠く隔たった時間と空間の中にいるのですから。

★★★ Excellent!!!

 人がロマンを見出すのって昔から、険しい険しいマウンテンだったりディープディープな海だったり果てしないスカイスカイだったりしますが、それらよりももっともっと厳しくもっともっと底が無くもっともっと果てしないのが、そう、宇宙なんですよね。

 対象が大きいほど、自らの存在の孤独は際立つのです。

 それに向き合ってこそのロマンなのです。

 そんなブルーズをぜひ、これを読んで味わっていただきたい……でもちょっと怖いよ!