第4話 ここはどこ?
「ほっこりしますな。」
家の縁側でお茶を飲んでほっこり葉月。
「コケ。」
食べられないで一緒にお茶を飲んで生きている喜びを実感するチキン。
「おやおや。お茶を飲むニワトリなんて聞いたことがありませんね。」
お茶やお団子を出してくれる優しい酉月。
「コケ!」
今まで、おまえがお茶を出さなかっただけだ! とチキンは主張している。
「酉月さんはチキンに名前を付けなかったんですか?」
葉月は疑問をぶつけてみた。
「はい。ニワトリはニワトリですから、名前で呼ぶことはないですね。しいて言うならニワトリA、ニワトリBとかですか?」
「なんかゲームみたい・・・・・・。」
この物語は古風な日本を大切にしております。
「チキン。これからは仲良くしましょうね。」
「コケッ!」
人間とニワトリにも友情は生まれる。
「お団子があって良かったわね。チキン。」
「コケッ!?」
その絆は葉月のお腹が空いた時に他に食べ物があれば保たれる。
「酉月さん、ここはどこなんですか?」
「ここは干支の世界です。」
「干支の世界!? 略して、エトワールね!」
干支の世界、干支ワールド、エト・ワールド、エトワールらしい。
「すごいね。葉月は。新しい言葉を生み出す天才だ。」
酉月は葉月が扱う現代的な言葉使いが面白かった。
「て、て、て、天才!? よく言われます。アハッ!」
天災の方ですが・・・・・・。
「葉月、干支守の仕事は大変だぞ。」
「干支守の仕事?」
今明かされる干支守の仕事。
「最近、日本国なのに、干支の人気がないんだ。」
「干支の人気?」
こいつは何を言っているんだ? と思う葉月。
「黄金12宮だの星座の方が人気があるんだ。」
「ゲッ!? まさか!?」
嫌な流れを感じ取る葉月。
「この流れは!? この私にチキンのクロスを身に着けて悪者と戦えというのか!? 私にチキン流星拳を放てというのか!? 燃えろ! 私のチキン!」
「コケッ!?」
いつも身の危険を感じるチキン。
「それはない。あっても鳥の武者鎧だよ。」
だって、日本物だから。ゴールド・チキン・武者鎧プレゼント中。
「他に月とか惑星も人気があるんだ。」
「なんだと!? この私にセーラ服を着て悪と戦えというのか!? 干支守! 葉月! チキンに変わってお仕置きよ!」
「コケッ!」
葉月を応援するチキン。
「セーラ服? 何それ? 仮に着るとしても十二単だよ。」
美しいけど重装備の十二単。
「それなら、これでどうだ! 一子相伝の最強の暗殺拳! チキン神拳だ! あたたたったたたたたたたたたたたたたったたたたたたったたたたたたたたったたたたたったー! チキン百裂拳! おまえはもう食べられている。」
悪乗りを始める葉月。
「縁側でお茶を飲むのはいいですね。幸せな気持ちになりますね。」
「コケッ。」
チキンと酉月は葉月を無視してお茶を飲んでほっこりしていた。
「ち・き・ん・破ー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
葉月の悪乗りは永遠に続いた。
つづく。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。