空気の果実/Wait
怒りだとか 焦りだとか 必要ないから
いつだって冷静でいたいんだって言ったって
終わってしまえば それはもう過去のこと
永遠の眠りにつく頃には すべては良い思い出となり
傷つくことも 悲しむことも 苛立ちを思えることさえも
愛しい行為のことに思えてきて 必要だったと叫んでいるような
流れている血が沸騰しているような そんな気がしてくることさえあって
誰だって待つだけの人生は好きじゃない
いつかは絶対 いつかは絶対 いつかは絶対
そんな日が来ることを望んでいても
そんな日が来ないと知ったときには
怒りだとか 焦りだとか 必要ないから
いつだって冷静でいたいんだって言ったって
終わってしまえば それはもう過去のこと
永遠の眠りにつく頃には すべては良い思い出となり
優しい瞬間を 楽しい瞬間を 嬉しい瞬間を
それらだけを抱きしめて 生きていたいと望んだって
完璧な人生を計画して実行して失敗したときの気持ち
すべてが終わってしまったような絶望感に酔いしれて
人はゆっくりと人生を語り始める
自傷行為を繰り返すように 苦笑いを周囲に見せながら
「待つ」という行為の先には何がみえるのか
「希望」という言葉の意味を知っているのか
叫びたくなる衝動を抑えることこそ愚の骨頂
他人を憎んでも何も始まらない 自分を憎んでも何も終わらない
遠い遠い回り道をしたって 最後の最後にはこう言える
肩の力が抜けてくる 呼吸がいつもよりも楽になる
空気の味がいつもより 少し美味しいと感じられる
苦虫を噛み潰したときよりもいい笑顔で 最後にはきっとこう言える
これまでの苦い経験があったから これまで苦い刹那を必要としていたから
「戦い」とは自分の中だけで行われるものだから
他人の存在は自分の作り上げた「幻想」だから
「今が辛くてもきっと大丈夫だよ」
最後にはきっと誰かにそう言える日が来るから
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