守護精霊現る

プロローグ 燃え盛る庭

 朝6時。普段の起床時間ですが、本日はすでに着替えを済ませ、お嬢様をお越し、今まさに送り出そうとしておりました。


 日が登り始めた朝早く、お嬢様とリーリアは眠たげに馬車に乗り込んでおりました。


「リーリア、お嬢様をお願いね。」


「はーい。ていうかぁ、レイさん今日お休みですよねぇ。」


「いいのよ、日課だから。」


 本日は学園行事のため早くに登校しなければなりません。朝が弱いお嬢様を起こすのはそれはそれは大変で、本日に限りサーニャと二人で起こしました。見ると、お嬢様はもう馬車の中で眠っておられました。


「それじゃ、いってきまーす。帰りはかなり遅いのでぇ、あとで連絡しますぅ。」


 馬車が動き出してから、リーリアが手を振っておりました。それをサーニャと見送り、その日は何事もなくスタートいたしました。


 そう、穏やかな始まりでした。

 それなのに……。


「これは一体、何が起こったの……?」


 その日の夜、お嬢様は帰宅なされ……

 気がつけば、屋敷の庭が燃え、中央の噴水には歯車と金属で体を覆った、噴水よりも大きなドラゴンが噴水の本体をがっしりと掴み


「グルルァアア!!」


 まるで何かを威嚇しております。ドラゴンの先には、手のひらサイズの小さな妖精がその手に杖を構え、浮遊しながらドラゴンと対峙しております。


「ちょっとアンタ達!いい加減にしなさいよ!! 言うこと聞きなさい!」


「お嬢様危ないですよぉっ!?」


「誰か水!! 水持ってこい!!」


 そんな危険な場所とかした庭でお嬢様は叫び、リーリアはそれを止め、火を消そうとロミアとクレゼスが走り回っております。


 一体全体何が起こったのかわからぬまま、私らただ、呆然と立ちすくむ他ありませんでした。

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