#深夜の2時間作詩 ナイフ

素か透かの原石を研いで、色付かせるには

そのうち、小麦ではたいたパンでも刻もう

どうせ大した栄養もないパサパサのスカート

閃かせた記事上で、踊り明かせばいいでしょ


黴の栄えた色とりどりの装飾をスライスして、

とろとろの身に刻みつけてさ

平らな胸から発光した蛋白質、

蛍火にくゆらせて 骨抜きにしなさいな

あんたは彩色主義者だから、調度いいでしょう。


ペティナイフで盛り付けた海月たちと

嘘でもいいから、私と飾りつければ

何もいただけないけれど、

あなたに刻まれてゆければ

どこへなりとて ともに生きます


画布の奥底に埋め込まれてしまえば

朝には夥しいレッドカーペット

鈍ら易しい安穏が陶然に訪れるのでしょう


煮えたぎった体テイで 衝動にかまけて

ほどとかしたら洞話、いつだってできあがり

刻まれた残骸があなたとわたしの

綴じられたお口に入るまで

あとわずかの白紙をぶちまけ

小手先だけのブレードが

キャンパス上で沁みを抱いてる


あわいの剥げた日曜日の朝

顔文字を磔た 能面の人魚たちは

海の底へ潜り続ける

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