#深夜の二時間作詩 約束


記憶の果て迄も爆ぜれないみちしおに、

腐蝕して肥大した華火もうつろい

私はただ待ちくたびれてるだけで

いつか無くした真実とともにあり


白昼夢の微睡みは濁るだけで

もがいてもくるしくても

そのうち薄らぐから救われると

繰り広げる舞踏会は不定期にふてくされて

たくさんの触手をのばしては

今では知らない何処かのあなたを

からめとるよう 魔法をかけていたのに


記憶から剥離した私は実態を持て余して

真珠を抱いだ水母はもう 空には昇れないから


絵本の中のあなたと私は はじめから結ばれていて

誰かが着いだ受戒の赤糸 ハッピーエンドに閉じるでしょう


ことばにならない泡沫を

穿いては夢を抱き留めている

浅ましい人魚姫は今宵 水母に漂い宿る

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