ベイビーガール

いくぶん伸びたあみかけの 陽に透かした素肌とも だれかれも

カジュアルに、好く似合うとしっていたから

回遊性愛玩塩吹魚は真っ逆さまに 吊られていくのを

ポニーテールは知っていて


ひとがバタバタはたきあう 戦場を抜けていく風潮を じつと

なんて、呑み込まずに吐き出しておしまいなさい

見つめている 夏も 自由に足先を揃えておちて逝くのを 

(真蛭の月に孤独を据われる)

味気ない食卓に     印度から取り寄せた泪と交ぜて

あなたの脊椎と今度こそ落しこみます

機関銃を使い、こなさない老人たちの緑青が 棄てられた玩具の

喇叭でしかない再生プレイヤーに しわがれた皮で鳴いてばかりの

携帯電話に ぷるぷるしている 粘土質の暁光と血と 

卵黄では、ない。なんて!

頬を膨らまして 割れちゃったオムレツと いっしょ とんでいった、

なんで!

昨日眠れない夜が ねぼけたペンシルで 白鷺と書き間違えて

宵の鴉を連れ出して見せた TVの裏番組に 明日の私たちが

吸い尽くしているのでしょうか

みんな知ってるタブーをそっと瞑り

つま先と共に外した心臓が靴下の奥で眠る

淀んだ空気に触れて震えていた    私の乳房はツンとして

それでも、        溜息をこぼせるほどここは広かった

このまま          眠りつづけて王子様と出会いたい

死ぬことを選び取りたいが

結局 明日は おやすみなさいな    

おひとりさま ディナー確定

なので 薄らぐ風景を切りよるよう

腐海の底へ 命を抱くよう   祈りまして

小さな希望をワイングラスに灯して   口付けをした

千秋楽まであと数秒


いくとせとうわのそらに きょとんとどきんと、私。

kawaii なんて、嘘でもいいから、なにがほしいの



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る