#詩コン 玉 瑠璃今生の二藍

 花肆かひ苑腹そのはらのお口に何処いずこから誘われているような、

 今夜の熱波も巡りき此処に戻ってくる。

 旅をしていた、なんて誰かを探すかの世迷言のうたかたを楽しんでは、蟒蛇うわばみが腐っていくのを幾度も眺め続けて。

 イツカカッタ。なんて言い逃れすら、巻きつかれて枯れた蜘蛛のイト名無しの花は、いつまでも根無し草に血潮をたぎらせ美しいまま、円く脈打っているただの現実逃避だが。


 瓦落多がらくた玉石たまいしを砕いては魅せよう

 それほどでもない未知が飾られていくから

 

 路傍ろぼうの意思を殺して泣いている、まなじりから溢れんばかりの瑕疵かひに色を与え、美しいままで息を広げては腹裂はらざかれたままの肋骨にまもられ、硝子の子宮の奥其処おくそこに私が眠っている。

 棄てられた黒猫の背を撫で浸けて要られるこの幸せが見えるだろう。

 胚芽を持ってひっそりと心臓とする、終わることの無い輪廻を唄って、魂動の群れをぶら下げ、小さな夜衣酔いをユグドラシルにしているような。

 

 ただの空っぽの愛だったと、ガラス玉は砕けたと

 少年は、もう死んでいるのか

 

 抜け切ったくだから駄々流される、洩れたせいを溜息として時が蓄積されたら、砂時計は勝手に廻り排出されいくだけで、さらさらともなく転げ落ちる刹那の、砕け散った泪の後先に何が見えるのだろうか。


 このかいなのゆかりで血潮にえる瑠璃今生の二藍るりこんじょうのふたあい


 _______

 #詩コン 玉 @utakatakotyou

 午前1:36 · 2020年8月8日

 正直どこで切るかものすごく悩んだのでカクヨムは原文を出します。

 詩は口触りと拍が非常に大事な部分でありますのでシコンでは含みも持たせ行と拍を置きました。どちらも優越つけがたく気に入っております。

 *

 佳作に選んでいただきました。

 正直わかりやすい詩ではありませんが、何かしら引っかかり あなたの心で育てば、それがあなたなりの思いになります。

 ありがとうございます(୨୧•͈ᴗ•͈)◞ᵗʱᵃᵑᵏઽ*♡

 *

 全てひっくるめてわかろうとなんて難しいもんだ、聖人君子じゃなきゃ出来やしない。この一文が引っかかるとか、その程度で充分、言葉の全てなんて、流れゆくままで、文字で描かれているから、全て見えるだけで、心に残るのなんてほんの少しだろうさ

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