第4話 最下層の最終ボス
休憩時間を終えて俺たちは最下層の上を目指した。
そしてようやく――階段を見つけた。
つまりここが最下層の上がある最後の空間だと言う事だ。
ここまで来るのに
「またスライムなんて事はないよな?」
う。嫌な事を言う、アダムが。なんとか勝ったからよかったけど無双出来てよかった。本当に。
「天井は見えて――」
ヒルダの言葉に嘘はない。本当にここの天井は見えている。相変わらず抱っこだれてます。俺。ってあれ? ヒルダの様子が可笑しい?
「は!? 皆! 待って!」
この時のヒルダの勘は鋭い。と言う事は――
「ひ!? 危ない! アダム!」
急にヒルダが言い放った。先頭を歩いているアダムになにが起きようとしているんだ?
「うお!?」
アダムの声だ! なんだ? アダムの姿が急に消えた? え? それにさっきの残像はなに? 速過ぎて見えなかった。
「ひぃっ!?」
俺は思わず身を引かせた。なぜなら急に骨だらけが落ちてきたからだ。……って! アダムゥウウ! またかぁああ!
「光の精霊よ、私に力を。
お? ヒルダの魔法のお陰で見やすくなった。ヒルダの杖から眩い光が出続けている。さてさてと――
見渡すとなにやら囲まれているような感じがした。そもそもスライムじゃない。なにかとてつもないくらいに大きいなにかがいる。
巨大ななにかが
「ぬ? これは?」
どうやら宙に浮けるパルガスがなにかを理解したようだ。なんだ? スライムじゃないのは確かだろう?
「皆の者! この魔物は――蛇じゃ! それも大きな」
な、なんだと!?
「大蛇。相手にとって不足なし」
お? アダムが復活したようだ。このようにアダムは死なない。骨がバラバラになっても死なない。また骨が砕ける事も無い。まさに不死だ。
ちなみにここは俺の出番ではない。なぜなら蛇の体はほとんどが筋肉だ。ここは物理よりも
とアダムは急に剣を鞘から抜き走り出した。なにを狙っているかは解らない。だけど大蛇を倒そうとしているのは解った。
「アダム! 支援魔法じゃ! はぁああ!
どんな魔法かは解らないけどきっと凄いに違いない。うん? ヒルダの杖から発する光のお陰で大蛇の顔が見えた。
ここからでも見えたのだから近いアダムはもっと見えているだろう。とアダムが急に跳んだ。次の瞬間――
なんとアダムはあり得ない程の跳びを見せた。たった一回目で大蛇の頭にさえ届きそうな跳びを見せていた。
まさか! こ、これが無重操なのか! だとしたらどんだけ恐ろしいのか。だけど今はアダムに賭けるしかない。
「うおおおおお!」
アダムの
ここは両方だと俺は思う。どちらにしてもアダムは覚悟を決めたような跳びっぷりだった。詳しくはここからだと確認は取れない。
俺の見える範囲だとアダムは大蛇の頭上に乗った。アダムに乗られた事で大蛇は暴れ始めた。頭と胴体を振り回している。
なんとかアダムはしがみ付いているがいつ振り落とされても可笑しくはなかった。あ。大蛇が動くのをやめた。反撃開始か。
「これで……終わりだぁ!」
あは。だれでもそう言う決め台詞的な事を言うのか。ここからだと詳しくは語れないけどきっとアダムは次の瞬間に大蛇の頭上を貫いたのだろう。
大蛇の
大蛇は暴れた後に
アダムは剣を引き抜き振り払うことなく戻ってきた。ああ。
「よかった」
ヒルダちゃんが今にも泣きそうな声を出していた。本当によかった、無事で。倒してから少し経つと合流し終わりまた休憩を取る事にした。
こうして見ると俺たちはデコボコながらにやっていけそうな気がした。これはあくまでも俺の主観だ。それにしても最下層より上はどんな魔物がいるのだろうか。それは
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