オオカミは反芻する

作者 高峰祈里

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★★★ Excellent!!!

心の底から面白い小説であるなと思いました。面白いと言っても、会話の掛け合いが面白い、話の構成が面白い、キャラクターが面白いなど色々ありますが。この小説はとにかく遊び心に溢れている、といったところでしょうか。本当に痺れました。
一匹オオカミと周りに呼ばれる男の子、ウサギのシャツを着た女の子。この「肉食と草食の比喩」がもの凄い角度から所々に入ってきます。しかしその全てが物語にしっかり嵌っていて、読む手が止まりませんでした。
そして私自身もこの小説を何度も反芻しました。文章を何回飲み込んでも、何回も吐き出して、また読みたくなってしまう。生まれつき胃が一つしか無い私には、一回や二回読んだだけでは消化し切れなかったのでしょう。それくらい作り込まれていて、遊び心の詰まった作品でした。
素敵な小説をありがとうございました。

★★★ Excellent!!!

 学生にしか書けない学生の小説。ギリシャ彫刻さながらに無駄のない均衡美を備え、滑らかな文章には大理石の煌めきが宿る。
 自動販売機の缶スープは私も好きで良く飲むが、そうした小道具も筋の展開を盛り上げるのに一役買っている。
 動物の食性という、原始的だが無視できない肉体的な特徴が人間の精神へと落としこまれていく様子は白眉の一言に尽きる。
 必読本作。