122、まぽりん伯爵の次回予告 そのよんっ!


 深夜2時ちょうどツーエーエム!

 豚どもケツを差し出すのじゃー!

 

 こちら運命タロットを司る悪魔が送る深夜のレディオ。

 

 まぽりん伯爵のミッドナイトチャンネルぅー! どんどんぱふぱふ。

 

 なんか久しぶりな気がするのう! 気のせい? 気のせいか。

 

 あぁ、そう。

 今日も少年少女、紳士淑女のリスナーから、山のようなお便りが届いておるぞう。いちまい、にーまい、さんまいっと。

 

 少ない!

 それでは!

 

 夜の闇の中で、悩ましき思いを抱えるリスナーたちに、我輩が一縷いちるの希望を垂らしてやろう。

 

 今日の豚野郎はラジオネーム、深夜の陰男くん! 


 お久しぶりじゃ!


 その後の首尾よくいったかのう。はてさて……。


『まぽりん伯爵、お久しぶりです。深夜の陰男です。


 最近はすっぱりと夢を見なくなりました。

 むしろ、そんな夢なんて見てたんだっけ、と。ずっと寝ているから、何が現実かだんだん分からなくなってきますね。


 最近は、朝になっても起きたくないな、なんて思います。目を開けて、普通のふりをして生きることだけが、幸福じゃない、って思っちゃいます。


 兄は『これからきっと楽しいことがある』って、そんなこと言うけれど、到底、信じられません。


 こんなに辛いなら。

 無理して生きていることもないなって。


 悪いことばかり考えちゃいます。真っ暗な闇は、どれだけ歩いても終わってくれません。


 夜になると、怖くて、布団を被って寝ています。

 眠ったまま、目を覚まさない方が、どれだけ幸福だろうかと。どうせ起きたら、またひとりぼっちですし。


 すいません。暗い話になっちゃいましたね。

 ただの愚痴でした。放送終わっちゃうの、とても寂しいです』


 ……しばらく見ないうちに、なんか深刻なことになってるのう……。失恋か……。うぅむ。


 きっと苦しいじゃろうな。失恋とはそういうもんじゃ。

 でもな、この人間界には男も女も腐る程いる。その人しかいない、なんてことは有り得ないんじゃ。


 そう……このラジオも同じで。


 わしのチャンネルが終わっても、第2、第3の深夜ラジオがあるから……。


 わしの仕事はどうなるんじゃのう。ガスが止められて、冬でも冷たい水を浴びている、わしでした。


 あ、泣けてきた。

 ぐすん。

 さて、やるかのう。


 貴様の未来は確かに、この運命タロットに刻まれておる。


 なすべきこと。

 進むべき道。

 信じるべき未来。

 全てはこの手の中にある!

 さぁ、指し示せ!


 (派手な効果音)


 出てきたぞ。出てきたぞう!


 ん?

 あれ?


 ……真っ白じゃ。


 もしかして、ダミー抜いてくれなかった? スタッフ、スタッフぅー?


 ……まぁ、そういうこともあるじゃろう。


 ゴホン。


 ご飯はちゃんと食べるんじゃぞ。飯が食えなくなったら、人間そこでおしまいじゃからな。


 元気になったら、またお便りしてくれな。メールもお待ちしておるぞ。


 さてさて最後は。


 生電話のコーナーじゃ! まだまだ電話待っているのじゃ!


 じゃ、じゃ、じゃ……(エコー)

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