百二十四話 「感情」

たかが感情じゃない。




感情に振り回されて

自分は小さい人間だと

思った。自分の

感情ぐらい抑えたい。



でも、そういえば

僕は今まで感情的に

行動してこなかった。

なぜ変わったのだろう。




子どもの頃、自分の感情を

そのまま出して

周りの人に怒られた。

これはしちゃダメなんだと思った。



それからは何も

主張しないことにした。

僕が悲しかろうと

その場が収まるならよかった。



別にそのことに

慣れるのに大変さは

なかった。どうせ僕は

すぐに忘れてしまうのだから。



そんな僕に大切な人が

できた。この人には

自分をわかってもらいたいと

思った。そう思えば思うほど



感情がはっきりと現れてきた。



うまく思いを伝えることは

なかなかできないから

相手は大変なことは

わかっているよ。



でも、感情的になるのは

大切な人をわかりたくて

その人にわかってほしくて

なるんじゃないかな。



何も感じないよりは

感情に振り回されても

相手にぶつけた方が

いい気がする。



感じたことを言葉にできるのは素敵だから。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る