第51話
今日は坂井先生とカフェデートの日。
駅前で待ち合わせだ。病院以外の坂井先生を初めて見るから、ドキドキする。
あ、坂井先生だ。私の好きなシンプルな格好でまとめられている。大人っぽい。病院出てきてもかっこ良さは変わらなかった。
「お待たせしました。お久しぶりです。坂井先生」
「お久しぶりです。柚さん元気してた?」
「おかげさまで。坂井先生は?」
「僕も元気してました。例のカフェ行きますか!」
「はい!」
例のカフェは、案の定混んでいた。
「わお、混んでるねえ」
「本当だ。さすが人気のカフェ」
「よし、並ぼ」
並んでいる人を見ると、女子同士かカップルがたくさんいた。もしかして、私たちも恋人同士に見えるのかな、なんて。
「同じ病室だったゆきこさんね、退院したんだよ!」
「ええ! そうだったんだ。嬉しい。他の二人は元気ですか?」
「元気元気。あの二人ももうすぐ退院だしね」
並んでいる間、病院トークやら世間話やらをたくさんした。
そしたら、あっという間に順番が来た。
パンケーキを注文。苺や桃、キウイなどが入っているフルーツミックスをトッピングにした。
一人では食べきれないから、二人で一つを注文した。
二人席に座って、パンケーキがくるのを待っていた。二人席に座れば、当然目の前は、坂井先生になる。正面から坂井先生を見ると、その格好良さに目を合わせるのが照れてしまう。
「お待たせしました」
「うわ、美味しそう」
「だな」
ふわふわそうなパンケーキ二つの上に粉砂糖が雪のようにふられている。生クリームもトッピングされている。その周りには、鮮やかな苺やキウイ、パイン、オレンジなどが飾られている。
「いただきます」
一口食べると、パンケーキが口の中でとろける。私が作るホットケーキとは全く違う。当たり前か。
フルーツもたくさんある。最高。
「退院祝いだな。おめでとう」
「ありがとうございます」
坂井先生とこのパンケーキを食べれるなんて、夢のようだった。
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