「パクリ」は気にしない。

 あなたは、魅力的なお話を作るために「他作品に触れない」なんてことは、ないだろうか。


 若い頃にオレもそれをやって、人生の大半をムダにした。

 やたらとオリジナリティにこだわって、他作品に積極的にふれようとしてこなかった。


 だが、行き詰まったらパクってもいいと思うのだ。

 行き詰まったらの話だが。



 アダルト漫画家のクリムゾン先生も、キャラ作成の際は

「実在の人物を参考にしている」

 とのこと。


『school rumble』の小林尽先生も、クリムゾン先生との対談で、


「魅力的なキャラクターの作り方」について、


「自分の中で出てきたものより、外の世界で触れたもののほうが、奥行きがあり、リアリティが出る」


 と語っている。


 お二方とも、完全オリジナルで作るということはほぼないそうだ。

 自分の中だけで作ると、どうしても限界ができてしまい、キャラが薄くなるらしい。


 実在の人物を参考にすると、キャラに厚みが出やすいと語る。

 

 これは、マンガでも小説でも同じだ。




 自分の中だけで話を作ろうとすると、どうやっても自分の頭の中だけの世界なので、膨らまない。


 そんなときに、他作品に触れてみる。

 または、まったく異なるジャンルの意見を聞いてみる。

 自分より詳しい人に聞いてみる。

 など、試してみてはいかがだろうか。


 この世界には、「許されるパクリ」というものが存在するという。


 まったく違う分野から取り入れる。


 オレがやったのは、「TV番組からパクってくる」という作戦だ。


・「有吉ゼミ」の「お掃除王子」から、「掃除大好きDKが、魔王城を掃除しに行く話」を考えつく。


・「もしもツアーズ」の「ライザップ取材回」から、「魔王と戦うヨロイを装備するため、姫がダイエットする話」を思いつく。


・「新婚さんいらっしゃい」から、「魔王が勇者にハニトラするため、送り込むモンスター娘にインタビューする話」を書く。


 など、多くのテレビ番組からネタをパクってきた。


 うまくいかなかったのが大半だが、オレはこの作戦を思いついたことで「ネタは無限にある」と悟った。


 この「ネタが無限に湧いてくる」という感覚が、プロとしてやっていくことにどれだけアドバンテージがあるかと。いずれオレがプロになった時に、分かってくると思う。



・積極的に他作品に触れて「あくまでも」参考にしてみる。

・実在の人物を内面だけ変更、外見だけ取り入れる。



 など、行き詰まった場合に試してみては。


 あくまでも、行き詰まったときに、であるが。

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