第31話 戦闘 開始!
「ホウ! ではお前が証明するがいい。
理不尽な我をお前の勇気で、お前の愛そうとする者たちのために倒してみよ」
魔王オモダルはゆっくりと左手を
コウはコウヤの後ろに回り込み戦闘態勢を整えた。
コウの魔法詠唱が練り上がるまでの防御はコウヤが引き受ける。
「シールド展開」
コウヤごとシールドに包み迎撃態勢だ。
「愚かな......。工夫がなさすぎる。そのようなシールドなどーーー【ポルカニック・ボム】火山弾!」
無数の燃え盛る火山弾が降り注ぐ。
「さらに【ファイヤーボム】」
ボムッ!
コウヤとコウの足元に炎が立ち上がった。シールドは維持しているものの、凄まじい熱まで中和しきれない。
「うわっち! ぁつぅ〜ッコウ! いけるか?」
「まだだ! あと十秒耐えろ!」
コウがアイスシールドを展開した。
「......あと5秒に負けてくんない?」
魔王オモダルは楽しげに目を細めた。
「ほう! 耐えたか⁈ なら......ばッ‼︎ 」
魔王オモダルの姿が消えた。
ズッドン‼︎
シールドが粉々に砕けコウヤが弾け飛んだ。
「ーーーッ! キッツイなぁ!」
吹き飛ばされた瓦礫の中から、コウヤが現れる。魔法詠唱が始まる。もう出し惜しみは無しだ
「集え。集え。わが盟友たちよ。その力を我が身と我が剣に与えたまえ。
我が身は金剛! 我が剣はイカズチ。
我が名はーーー軍神アトラス!」
コウヤが金色の光に包まれる。我が身を媒介にして、勇者の力と軍神アトラスを憑依させる究極の魔術だ。
「ぬん!」
ダーーーーーン!ズッドン‼︎
今度は魔王オモダルが吹き飛んだ。
叩きつけられた壁は崩れ落ちもうもうと白い煙を吐く。
「グォッ!」
流石に効いたようだ。魔王オモダルの顔には先ほどの余裕は無い。
「コウ! いまだ!」
コウの魔法弾【ファイヤ・ボム】がオモダルに
着弾した。
真っ白な炎が立ち上がる。
「グォッ! ーーッ」
一発、二発、三発!
バッシュ、 バッシュ、と紙を引き裂いた様な音を立てると、閃光で目が眩んだ。ついでに反射熱でコウヤの服が燃え上がった!
「うわっち! ぁつぅ〜!!」
耐熱シールドを二重にかけながら慌ててアイスヒールをかけた。
「ちょっと! こっちも被害出てんですけど!!
何発放り込んでんの!?」
「おまえが時間を稼いでくれたからな」
コウはニヤっと笑い魔王に顔を向けた。
目線を元に戻すと眉を潜めた。
「それにまだ終わってくれなそうだ」
ファイヤ・ボムの着弾したあとは、クレーターのように燻っている。
床材は溶けてマグマのように液状に流れ落ちブスブスと黒い煙を吐いていた。
その中から魔王オモダルが、ゆらりと立ち上がってきた。
「愚かなーーーお遊びはここまでだ」
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