第5話 E
僕は『Stupid scraps』に入隊した。
誰を殺そうか考えていた。
ボスはコロナで両親を失い中国に恨みを持っていた。
7月11日(土)
PM9時から『世にも奇妙な物語』がやる。ゲストは伊藤英明とか杏だ。
霧船の死は衝撃的だった。
明日は日曜だ。
壁に黒カビが生えている。
『Stupid scraps』は全部で10人。けど、日本に残ってるのは僕、スペイン人のアベル、出身地は謎の美女エイダの3人だけだ。
「イガサキは食べ物は何が好きなんだ?」と、アベル。ヤケに日本語がうまい。
🏪が見えてきた。ファミリーマートに似てるが『24マート』だ。
増税のせいでイートインの売り上げが伸びず、イートイン専用メニューってのを真っ先に考案した。カレーやスパゲティーはイートインじゃないと食べられない。
「カレー」
「ワザワザ、10%払うのか?おにぎりとかなら安いのに」
「カレーおにぎりとかないかな?」
「イートインだとコロナに感染るんじゃない?」と、エイダ。もしかしたら栄田っていう日本人なのかな?彼女も日本語が上手だ。
コンビニの南側に騎士沢駅はある。 ♪♪♪♪……発車のベルが響く。
コンビニに入り、肉マンを3人分買った。
エイダは『多いお茶』のペットボトル、アベルは『ボブ』缶コーヒー。僕は水筒に緑茶を入れてきていた。
コンビニの外で寂しい夕食。蛾が窓にはりついてる。
「コーヒーと肉マンって会うのか?」と、僕はアベルに言ったが、彼は理解できないのか咀嚼し続けている。
僕は殺した人数分だけ過去に行けることが出来た。腕時計みたいな装置を右腕にしていた。『03』と表示されていた。つまり、3人殺してるのだ。
『GO』というボタンを押すと3年前に戻るが、僕には幕末に行きたいという夢があったのでまだ押したくない。
僕はスパイをする前は派遣社員をしていた。北関東にある食品会社に勤務していたが、めちゃくちゃブラックだった。
大久保、勝沼、北島という3人の正社員を殺した。
夕食を終え、騎士沢駅近くのアパートに戻り3人で世にキモを見た。
7月11日午後10時25分頃、騎士沢市三丁目28番先路上でタクシー運転手がスーツ姿の若い男性が背中から出血しているのを発見し、110番通報した。男性はタクシーを呼び止め、「病院に連れて行ってほしい」と話し、運転手が「どうしたんですか」と尋ねると「刺された」と言い倒れたという。
被害者の傷は心臓近くに達しており、病院に搬送された時には既に心肺停止の状態でそのままの形で亡くなった。手などで身を守る際にできる防御創は無く、背中をいきなり刃物で刺されたとみられている。
その後の警察の調べで、被害者は近所に住む、久我健吾(24歳)という会社員であることが判明した。現場は久我の自宅まで僅か数十メートルのところであった。
以下のことが判明している。
◎犯行時刻頃に現場付近で男性同士の口論する声が近所に聞かれていたこと(特にとても怒った様子の中年の男性の声が聞こえていたという)
◎凶器は発見されておらず、久我の携帯電話や財布には手を付けられていなかったこと
◎久我は明るく社交的な性格で、周辺にトラブルなどは見当たらなかったこと
◎多数の血痕があるにも関わらず、足あとが残されていないことから犯人は久我とは逆方向に逃走した可能性が高いこと
◎久我は午後9時40分頃に騎士沢駅を出た後、現場にコンビニ袋やお菓子が散乱していたことから帰宅途中の午後9時40分から午後10時頃の間にコンビニエンスストアに寄ったことも判明した。
💀クガ・ケイゴ 刺殺
『Stupid scraps』メンバー
アベル スペイン人
イガサキ日本人
エイダ ?
💀オオクボ・コウタロウ
💀カツヌマ・サブロウ
💀キタジマ・ショウ
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます