【天才偏屈学者】

観察対象：パッサン・リアル

観察者：リーフ・カインツ

　天才と偏屈の名をほしいままにしている学者、パッサン・リアル卿について記します。

　齢六〇ほど。白い長髪と髭、そして金色の鋭い目をしています。身長は高く、背筋も伸びているためご高齢という印象は薄いですね。

　頭脳はこの国随一。そして偏屈さも随一。国王から政治についても頼られている重要人物であるのに、その人間嫌いの性格のため常に研究室にこもっていらっしゃいます。

　レイチェルお嬢様がよく読んでいる緑の表紙の本、あれもパッサン卿の著書です。昔からずっとお嬢様はあの本を側においていました。

　そんな偏屈学者ですが、孫には甘いとの噂も。孫にあげるためのお菓子を常に持ち歩いているとかいないとか――、想像が難しいです。

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