第三話【ジャングルの街(三)】

                (一)

 短い断末魔が響き渡った。背を丸め、片膝を着いた状態で着地をすると、背後から先生と姉さんの歓喜の声が聞こえてきた。相変わらず土砂降りのジャングルの街道、濡れた梢の隙間からは、辛うじてはしゃぐ子供達の手が見え隠れしていた。

「せっかくプレゼントしたんだから、ひまわり丸を使えばいいのに…」

短い戦闘の合間、聞こえた声に向かって顔を上げると、ユンカーの蓋を開け、腰に手を当てた姿勢で小瓶を口に当ててる姉さんがいた。

「ははは、これは大事な宝物だから傷付けたくないんだよ。それにほら、ここんとこの頑張りでレベルも上がったし、冒険者のナイフでも何とかなってるだろ?」

その声に姉さんは小さく「まあ、それはそうだけど…」と、少し残念な顔をした。きっと、プレゼントした以上、これで戦う僕の姿を見たいのだろうけど、それに関しては『どうにも申し訳ない』の一言だった。腰のひまわり丸を撫でる。これがピカピカと輝く宝物なのは紛れもない本心だった。でも、やっぱりこれは使えない。

 昨晩、あまりに嬉しかった僕は夕食を終えると、宿の中庭で素振りを繰り返した。ほんの半年前まで父さんと繰り返した型を反復する。でも、その動きをなぞればなぞる程、自分のの剣技に対する自信を失ってしまったんだ。まるで自分が下手くそになってしまったかのような錯覚を覚えた、思うように剣が振れなかった。『サムライシュベアト』それは、何とも頼りなく、扱いにくい剣だった。

『色んな装飾が付いて完成するんだって』

『これは、その時作られたレプリカなのでしょう』

その言葉が思い出された。そして、僕はこれが鑑賞用の剣で、実用向きでは無いのだと結論付けた。そりゃあまあ、折角のプレゼントだし、かっこ良く使えたら素敵な話だとは思うけど、申し訳ないがこいつには命が預けられない。そう思ったんだ。

「ほら、いつまでも物思いにふけってないで、今のうちにあなたも一本飲みなさいな」

ふと、そんな声がしたかと思うと、突然視界に茶色い小瓶が飛び込んで来た。僕は短くお礼を言うと、受け取ったユンカーをそのまま腰のバッグに入れた。姉さんはそれを見て「あれ、飲まないの?」って聞いて来たけど、僕は「まだ大丈夫。それに基礎体力つけたいから回復薬はヤバくなった時だけいただくよ」と微笑んだ。これも、自分なりの鍛錬だった。そう、再びあの鋼の剣を手にした時のために。肉体の酷使と超回復。薬に頼らずに身体を痛めつける事で、あの重い剣を振るだけの筋力や体力が付くのだと自分に言い聞かせていた。

 立ち上がり、額の雨を拭う。そして、姉さんが広げていた地図の上に目を落とすと、僕達を現す三つの青い点が見えた。すでに、街道に沿って指を滑らす必要はなかった。この位置から程遠くない場所に赤い目印があった。狙っていた緑色のオカリナも、黒いドレスさえも売り切れで踏んだり蹴ったりで幕を開けた一日だったけれど、いざ蓋を開けてみると『割と悪くない一日』となっていた。いいや、こと戦闘に至ってはむしろ順調で、珍しく苦戦する場面も無く僕達は着々と前に進んでいた。緩いカーブを描く街道、すでに街の門は茂みに隠れて見えなくて、ただ遠くから子供達の声援が聞こえている。気が付くと何ともスムーズに街から四〇〇メートルの位置まで辿り着いていた。



『シャッフルワールド物語 マーシャの地図』

『第二部:野花の冠』

第三話【ジャングルの街(三)】



 それは、さらに幾つかの群れを倒した時だった。遠くに聞こえる子供達の声にデジャブに似た感覚を覚えてハっとした。そして二人を見ると同じ事を感じていたようで、小さく頷いていた。そして僕もコクリと頷くと、そのまま街道の小脇の茂みに向かって飛び込んだ。

 僕達が感じたデジャブのような感覚。それは遠くに聞こえる子供達の声と、梢の合間から見え隠れする姿だった。そう、それはあの時、魔物に追われていた時と全く同じ位置関係だと直感したんだ。それを証拠に、飛び込んだ茂み、横目で通り過ぎた大木が激しく折れていた。そう、あのクワガタ型の魔物が最後に激突した痕跡に違い無かった。

 胸を躍らせつつ着地すると、同時に辺りを見回した。そして、最初に視界に飛び込んで来たのは見た事の無い花達だった。僕が立っている茂みのすぐ先に、まるでガラス細工のように雨と木漏れ日を受けて光り輝く透明な花達が群生していた。瞬間、後光のように木漏れ日を受けて光る神々しい姿に目を奪われて膝を着き、手を伸ばした。

「ここら辺の花々とは様子が随分違いますね。おそらく鳥か魔物が違うエリアから種子を運んで来たのでしょう」

頭の上から聞こえる先生の声。僕は「なるほど…」と相槌を打つと、その中の一本を積んで冒険者のバッグの中に入れた。これをお土産にしたらきっとくーちゃんが喜ぶと思ったんだ。そして立ち上がろうとしたその瞬間、何かが目の前の地面で光った。それはガラスの花々とは違う輝きを発していた。僕は思わず二度見した。そしてそのまま駆け出した。

「おめでとう!」

「無事、目標達成ですね!」

振り向くと、回収したリュックザックを背負った二人が笑っていた。僕は大きく頷くとそのまま地面に手を伸して握りしめたんだ。

あの日、僕が無くした鋼の剣を!!


 子供達が待つ街の門を目指す僕達の足取りは軽かった。もちろん、途中で何度か魔物と出会った。でも、目標を達成し、モチベーションが上がっていた僕達は強かった。今日までの苦戦が嘘のような楽勝の連続だった。久しぶりに握ったロングソードはやっぱり最高だった。そりゃあもちろん重かったし、相変わらず振り回されもしたけれど、それでもさく裂した時の破壊力は感動モノだった。だって、あんなにも硬いと思っていた昆虫系魔物の甲殻をいともたやすく叩き割るのだから。

「お兄ちゃんたち、おかえりなさーーい!」

「きょうは早いんだねえ!?」

「…だ、だねえ!?」

いつもよりずっと早い帰還に、子供達は少しばかり不思議そうな顔をしながら手を振っていた。僕はニシシと笑うと、自慢げに肩に乗せていた鋼の剣を『これでもか!』とばかりに掲げでみせた。すると、子供達から割れんばかりの歓声が上がった。

「皆、応援ありがとう! これで明日からは本格的なレベル上げが出来るよ!」

「ですから、今日は早めに切り上げて明日に備える事にしたのですよ」

「それでね、今晩はささやかだけどお祝いをしようと思うの。もしよかったら父さんお母さんに聞いてみて。毎日付き合ってくれたんだし、あなた達も招待するから!」

姉さんの言葉に子供達は飛び跳ねながら喜んだ。僕も嬉しかった。そして、はしゃいでいる子供を眺めながら、再び戻ってきたズシリと重い感触を堪能していると、なにやらツンツンと肘の辺りが引っ張られているのに気が付いた。それは、僕の袖を引っ張るくーちゃんで、何かを期待しているのかはすぐに分かった。

「うん、ちゃんとあるよ、くーちゃんのお土産も」

ああそうさ、こんな嬉しくてめでたい日は皆で味わいたいものだよね。僕は冒険者のバッグに手を伸ばすと、指先に茎の感触があるのを確認して、そのまま摘まんで「はい!」と、くーちゃんの前に差し出した。

 だけど次の瞬間、くーちゃんが不可思議そうな表情を作った。頭の上に大きな『??』が出ているような顔だった。僕はてっきり大喜びするもんだと思っていたら不思議に思って手の中の花を見た。そして、思わず空いた口が閉じなくなってしまったんだ。だって、そこにあったのはただの茎だけだったのだから。

「おそらくあれはガラスではなく氷の花だったのでしょう。微かな魔力も感じましたし、自生している間は溶けないようになっていたのでしょうね」

聞こえて来た先生の言葉に僕は大きく肩を落とした。そして言い訳がましく、それがどんなに綺麗な花だったのかをくーちゃんに語ってみせた。だけど、それを聞いている彼女の顔は笑い切れていなくって、どこか残念そうに見えたんだ。そしてその少し曇った笑顔は、まるで小さな棘のように僕の心に残ってしまった。


 あの後すぐに、僕達は現地解散となった。お家の人にお許しを貰いに駆け出した子供達と、夜の準備や買い出しに向かった先生と姉さん。そして僕は一人、雨の商店街を歩いていた。当てもなく、目についた店に入っては物色をして外に出る。そんな事を繰り返していた。探していたのは姉さんと…そして、くーちゃんへのプレゼントだった。ひまわり丸に鋼の剣、この二日間で僕は色々手に入れた。でも、僕ばかりが良い思いをしているようで気が引けたんだ。それに『姉さんに何かプレゼントする』という計画も途中で頓挫したままだったし、あのくーちゃんの苦笑いも頭から離れなかった。ガマ口(ぐち)を覗き込むと、そこには今日の連戦で2万5千ゴールドに増えた紙幣と硬貨達が見えた。なかなか皮肉な物だった。何とも順調に目標金額を達成したというのに、あのオカリナはもう手に入らないのだから。雨空を見上げて深呼吸をする。夜の祝勝会。二人に何かを贈るなら、それが良い機会だと思ったし、そこを逃したらそのままウヤムヤになってしまうような気もした。しかし、お金はあっても『これ!』といった明確なイメージが無いままの買い物はなんとも捗らなかった。どうにもビビっと心に響く物とは出会えなかった。どうしてもあのオカリナやドレスの事が頭に残ってて、何を見ても『イマヒトツ』に感じてしまうんだ。


 それは約束の時間も近づいて『申し訳ないけれど、とりあえずコレで…』と選んだプレゼントを買って店から出た時だった。僕は往来の激しい街の広場に目を疑うような姿を見つけたんだ。考えるよりも先に足が石畳を蹴っていた。何だかとても嫌な予感がしていても立ってもいられなかった。「痛てぇぞ坊主!」「ごめんなさい!」「申し訳ありません!!」僕は叫びながら人混みを掻き分けてた。そして、視界の先に立ちつくす小さな姿が見えると、それが目の錯覚では無かった事を理解した。

「ど、どうしたんだよマウリ君ッ!!!」

石畳に膝を着き、少年の肩を握った。そう、僕が見つけたのは広場の噴水の脇で空を見上げて大声で泣いているマウリ君の姿だったんだ。そして次の瞬間、僕は耳を疑った。

「くーちゃんが! くーちゃんが街の外に出ちゃった!!!」

彼はそう叫んでいた。そして、その言葉は何度も何度も耳の奥でリフレインしていた。遠くで六時を告げる『帰りましょ』の割れたスピーカーの音に混じって、オカリナの音が聞こえていた。



                (二)

 横一閃、薙ぎ払われた鋼の剣は魔物の甲殻を叩き割っていた。クラリと眩暈がして、剣を地面に突き立てて辛うじて倒れるのを堪える。息は完全に上がっていた。大きく肩を上下させないと呼吸もままならなかった。不規則な鼓動を打つ心臓は今にも口から飛び出してしまいそうだった。

「くーちゃぁぁぁぁああああああん!」

僕はグッと息を飲み込むと、天に向かって吠えた。そして、その語尾が空に消えるのを待たず再びエンカウントを知らせる視界を染める赤いアラームが点滅した。

「邪魔を…するなぁぁぁあああああああ!!」

もう一度叫ぶと同時に力任せに持ち上げた剣を振りおろし、姿を現した魔物の頭蓋を叩き割った。

自分が何をしているのか分からなかった。

いったい、何処にいるのかも理解出来なかった。

ただ、身体のそこら中と、何より胸が痛かった。

『くーちゃんが街の外に出た』

マウリ君のその言葉を聞いた途端、頭の中が真っ白になった。そして、いつの間にか辿り着いたいつもの街の入り口で、同じように泣いているナイラちゃんを見つけると、さらに驚愕の言葉を聞かされた。

「くーちゃん…こおりの花をさがしにいっちゃった…」

その途端、僕は頭の中どころか、視界まで真っ白になった。そして、一切の記憶が無くなった。

『僕だ…』

『僕があの花の事を教えてしまったからだ…』

頭の中にはただ、困ったようにほほ笑む少女の顔だけが、繰り返し蘇っていた。

叫んだ、僕は何度もその名前を叫んだ。

後悔した、僕は取り返しの付かない過去を…いいや、自分を呪った。

祈った、僕は祈った。ただひたすら、生きていてくれと。


『ちょ、ちょっとあなたそんな所で何やってんのよッ! 帰りが遅いと思って地図出したら街の外に居るじゃない!? いくら剣が戻って来て嬉しいからって、やっていい事と悪い事があるわよ! とにかく危ないからすぐに戻りなさい!』


僕を再び正気に戻したのは、頭の中で響く姉さんの声だった。振り向くとそこは姉さんが言うとおりジャングルの只中だった。街の入り口まで続く街道には、幾つもの魔物の死骸が点々と転がっていて、まるで蒸発するように天へと上る光の粒子に変り始めていた。

…これを僕がやったというのか??

信じられない光景に、手の中ににある鋼の剣を見てさらに戦慄を覚えた。記憶を失っていた間、僕はいったいどんな戦い方をしていたのだろう。視界に飛び込んで来たそれは激しく刃こぼれを起こし、刀身には無数の亀裂が走り、あらぬ方向に大きく曲がっていた。体中の服や皮膚が裂けていた。何箇所か骨が折れた形跡もあったけれど、おそらくレベルアップのボーナスなのだろう、傷達はすでに塞がっていて、チリチリと軽い痛みだけが残っていた。気が付くと、いつの間にか昼間よりレベルが1つ上がっていたけれど、とても喜ぶ気にはなれなかった。今はそんな事どうでも良かった。ただただ、心が疼いて痛かった。

『くーちゃんが…くーちゃんが街の外に出ちゃったんだぁぁぁあああ!』

僕は泣きながら叫んだ。念話に乗せながら、本当に声に出して叫んでいた。

『僕の…僕のせいなんだ!! 僕が氷の花の話をしちゃったからなんだ!!!!』

『見つからないんだ! どこにもいないんだぁぁぁぁああああああ!』

その、声に姉さんが絶句した。そして一拍置いて、やはり全てを聞いていた先生が

『それにしてもそこは一人でいるには危なすぎます! 今すぐ門まで戻ってください! すぐに駆け付けますから!!!!』

と、言ったけど、僕はゴクリと息を飲み込むと大きく首を横に振った。

『僕が危ない!?』

『それがどうしたっていうんだよ…』

『くーちゃんはもっと危ないんだ…』

『こうやって立ち止まっている間にも死んでしまうかも知れないんだ…』

そして、二人は言葉を詰まらせた。

『…と、とにかく落ち着いて下さい。すぐに向かいますから!』

『そ、そうよ! あなたまで居なくなっちゃたらあたし…』

でも、僕はどうにも首を縦には振れなかった。

…それに

時すでに遅し…だった。

降りしきる雨の中、幾つもの大きな影が茂みの中で揺れていた。そりゃそうさ、鋼の剣がこんなになるまで戦ったんだ、気付かない魔物(バカ)がいる訳ないじゃないか。戦闘モードに切り替わった視界は一切の容赦なく赤く点滅していた。すでに魔物達に取り囲まれていた。



走った。

僕は走っていた。

早鐘を打つ心臓は、いつ口から飛び出してもおかしくは無かった。

振り向きざまに曲がった鋼の剣を振る。

狙いを定める必要なんて無かった。

当てずっぽうの攻撃ですら、背後に肉迫する魔物を叩いて奇声が上がった。回転する視界の中には、僕を追いかける無数の魔物が映っていた。鋼の剣が重かった。太刀筋も何も振り回されて滅茶苦茶で、走るのだって思い通りには行かなかった。それでも足を止めなかった。

逃走。

逃走。

逃走。

すでに選べるコマンド(選択肢)はそれだけだった。それでも僕は歯を食いしばって走った。『死ねない』『くーちゃんを見つけるまでは絶対に死ねない』ただそれだけの想いでぬかるんだ街道を走り続けた。気が付くと、視界の端にあの折れた巨木が通り過ぎていた。そして僕は焦りながらも小さな疑問を抱いたんだ。

 そう、それは極々当たり前の疑問だった。僕達がこの折れた木にたどり着くために、実に一週間以上の時間を費やした。曲がりなりにも勇者様のパーティで、しかも三人がかりの僕達がだ。だとしたら、これはあまりにも不可思議な事態だった。

―そう、ここまでの道中、僕はくーちゃんを見つけていない。

それがどうにも不可思議だった。そう、僕達とは違いNPCの、しかも小さな女の子がだ。そんなの絶対にありえない。単身でこんな先まで来れるはすが無い。

…でも、僕は見なかった。

その姿も…

想像はしたくないけれど、その亡骸さえも。

「くぅちゃぁぁぁああああああああん!!!」

叫んだ。無数の魔物達に追いかけられながら僕は叫んだ。そしてさらに数十メートル進んだ先で、僕の視界に何かが映った。反射的に視線を投げた途端、ズキリと心臓が大きく跳ねた。そう、それは茂みの先、右手に伸びる分岐した小道に落ちている赤いサンダルだった。

「くぅちゃん!!」

グッと息を飲むと、横っ飛びに地面を蹴る。その瞬間、魔物の大きな鎌が僕の頭の先をかすめて行った。

 鋼の剣を握ったまま、身体を大きく伸ばしてダイブする。そして、サンダルを手に取ると、そのままバウンドの要領で地面を蹴ってさらに宙を飛ぶ。空中で背を丸めてクルリと前転すると、今の今までサンダルがあった所に飛びかかる無数の虫達の姿が見えた。そして次の瞬間、僕は何とも不思議な光景を見た。まるでスローモーションのように流れる時間の中、不意に体が光に包まれた。眩しかった、思わず目をしかめてしまった。そして見たんだ、足元にあったはずの鬱蒼と茂ったジャングルが、突然不自然な形で消えているのを。まるでバリカンでも当てたように、綺麗に真っ直ぐ茶色い地面が伸びていた。

「…せ、線路!?」

宙を舞う僕は思わず呟いた。そう、そこに見えたのは、雨に濡れたジャングルの中、まっすぐに伸びる鉄道のレールだった。

…そして、致命的な失敗をしでかした。

 線路を飛び越して着地した途端、背中に大きな衝撃が走って息が出来なくなる。あまりの苦痛にそのまま地面にうずくまる。『やらかした!』激しい後悔の言葉が浮かんだけれど、時すでに遅く、息が止まったまま地面の上で転がって、悶絶を打つ事しか出来なかった。そう、僕は突然現れたレールに気を取られ、着地の受け身が取れなかったんだ。

「コンシクショウッ!!!!」

激しく咽ながら叫ぶ。そして、降り注ぐ昆虫達と死を覚悟した。


 きつく瞼を閉じ、身体を丸めて息を飲む。そして、一拍、二拍と数えた頃に僕は違和感を覚えた。そして、さらに息を飲み、一つ、二つと数えて瞳を開けた。そう、降り注ぐ無数の虫達も、待ち受けた激痛も来なかった。それだけじゃない。膝立ちになった僕はその光景に茫然とした。自分の耳も、目さえも疑った。

あの、激しく身体を叩く雨はそこには無かった。

それどころか、眩しい西陽が降り注いでいた。咄嗟に目をしかめて掌で光を遮ると、僕が跨いだレールを境に、向こう側は薄暗く、激しい土砂降りのままだった。そして雨の中、踵を返して戻って行く巨大な虫達の背中が見えたんだ。

 囀る小鳥達の声が聞こえた。煩いくらいにヒグラシが鳴いていた。そして、改めて周りを見渡して僕は思わず大きな息を漏らした。そこにはもう、あのジャングルの植物は無かった。確かに、鬱蒼と茂る森の中ではあったけど、生えている植物はぜんぜん違ったんだ。一面の広葉樹の森、地面には沢山のシダやキノコの姿があった。そして、僕が何を跨いだのかを理解した。

『エリア変線』

そう、僕が見たあの線路こそがそれだったんだ。

―世界大シャッフルで無作為に混ぜられ、継ぎはぎだらけの世界地図。

それはまるで雑な子供の悪戯(コラージュ)のようだった。灼熱の砂漠から一歩足を進めた先に巨大な万年氷河があった。エメラルドグリーンの海を見ながら歩く白い砂浜の先に突然現れたのは真っ赤な溶岩を抱く火山の火口だった。突拍子もなく、あり得ない気候の変化。これまでの半年間で、そんな訳の分からない光景を幾つも見た。どれもこれも雑で、適当につなぎ合わされた世界大シャッフルの影響だった。そして、僕が今跨いだ線路は正にそれだったんだ。おそらく、魔物達が踵を返したのもそのせいだ。『回帰線』自分たちのエリア、テリトリーを越えてまで追って来れなかったんだと理解した。

 振り向くと広葉樹の梢の先に、山頂に白い雪を抱く高い山々が真っ赤な夕日を浴びて鮮やかなピンク色に輝いていた。そして、目の前の苔のむした古い街道は、おそらくあの山々まで伸びているのだろう。

「…まったくもって、適当な世界だよここは」

手の中にあった赤いサンダルを握りしめたまま流れる鼻血を手の甲で拭った。そして、めいっぱい希望的観測を混ぜ込んだ仮説を立ててみた。

『どうしてこんな所にくーちゃんのサンダルが落ちている?』

『一人でここまで歩いてきた?』

『…あり得ない』

『僕達ですら来た事が無い森深く、どんな偶然が重なったとしてもあるはずが無い』

『…ならば』


―おそらく、くーちゃんは何者かに連れ去られた。


慌てて左手首の時計を見ると、時間はすでに六時半近くになろうとしていた。ここ数日、日の入りは七時前後だった。グッと息を飲む。…あと三〇分。それがタイムリミットだった。それを越えてしまうとフィールドは夜の強力な魔物達に入れ替わる。それは、ゲームオーバーを意味した。くーちゃんを連れ帰るどころか、僕の生存確率すらも限りなくゼロになる。汚れた膝やおしりを叩いて立ち上がり、山へと続く街道を睨んだ。

『おそらく、くーちゃんはこの先にいる』

落ちていたサンダル以外何の根拠も無かったけれど、不思議と強い実感だけはあった。だけど、一度始まってしまった踏んだり蹴ったりの運命は、そうも容易く僕を見逃してくれそうに無かった。腰のバッグに手を伸ばすと、昼間姉さんに貰ったユンカーの瓶を取り出して一気に飲み干した。もう覚悟は出来ていた。ひび割れ、大きく曲がった痛々しい鋼の剣を持ち上げて中段に構えると、目の前にある梢を睨んだ。

すでに視界は赤く点滅を繰り返していた。



              (三)

 鋭い痛みが腕に走った。シダの繁る古い街道、目の前にある広葉樹の梢が揺れたかと思った次の瞬間、僕の二の腕から血シブキが上がった。そこから何かが飛び出したのだけは分かったけれど、それが何なのか、何をされたのかも分からなかった。ただ、目の前を黒い影が横切っただけだった。眉をしかめて腕を見ると、そこには三本の並行した傷跡があって、何かの爪で引き裂かれたのだけは理解した。

 そして次の瞬間、背後の茂みに気配を感じると、僕は咄嗟に鋼の剣を振った。視界の先、空中で急激に軌道変更する黒い影が見えた。

―見切られた!

相変わらずの重量に翻弄された大振りは、コンマ数秒振り遅れていた。でも、意外な事に完全に避けられたと思った剣に衝撃が走った。そしてそれがラッキーの産物だと気が付くにはさほど時間が掛からなかった。

―当たっていた。

そう、掻い潜られたはずの僕の太刀筋、でも魔物が避けたと思ったその先に、不自然に変形し、折れ曲がった切っ先があったんだ。

 その事実に気が付くと、軽い音と共に背後の地面に何かが落ちた。そして、振り向いた途端、魔物の正体が判明した。それは顔面を強打され、頭蓋を粉砕されて今にも絶命しそうにもがく大きな鍵爪を持つ猿だった。だけど、異様だったのはその顔だった。なぜなら首から下はどう見たって猿なのに、上に乗っているのが山羊の頭だったのだから。歯ぎしりしながらのた打ち回るその姿は正に奇怪。そして、やっぱりそれが猿の亜種であると認識すると、僕は悪い予感で身震いした。何故なら、猿はたいてい群れで行動するのだから。そしてそれは的中した。光の粒子になって足元の魔物が消えてもなお、視界のアラートは消えなかった。それどころか、そこら中から歯ぎしりや甲高い唸り声が聞こえていた。仲間がやられて腹を立てていた。


 鋼の剣が空を切る度に、僕の身体から血飛沫が上がった。こんな事をしている場合じゃなかった。先に進まなくちゃいけないのに、すぐにでもくーちゃんを見つけなくてはいけないのに、山羊頭の猿達はそれを許してはくれなかった。

受ける!

弾く!

薙ぎ払う!

情けない程に防戦一方。そして、その全てが一拍遅れていた。あの昆虫達とは全く違う立体的な攻撃と、怒涛の連携に僕は翻弄されていた。まるで、大人と子供の追いかけっこのようだった。最初の一匹目のように、当たりさえすれば粉砕出来るはずのに、まったく当たる気がしないどころか、フラフラと空振りする度に切り裂かれた身体が血で染まっていった。ユンカーを飲んだばかりだというのに、視界の端のバイタルゲージは景気よく減り続けていた。

悔しかった。

悔しくて情けなかった。

気が付くと、僕は泣きながら剣を振っていた。でもそれは痛いからでも、くーちゃんを追えないもどかしさからでも無かった。父さんに習い、あれだけ憧れ練習したたロングソードの剣の技。それがこいつらのスピードの前には全く通用がしなかった。僕が目指した剣の道、全てが否定されていた。すでに自信も信念も粉々に打ち砕かれていた。なすがままにやられていた。でも、それでもこの剣を振るのだけは止められなかった。だって、それは、負けを認めるというのは、くーちゃんの命を諦めるという事なのだから。でも、無情にも猿達は、折れながらも首の皮一枚で繋がっていた僕の心を完全に刈り取った。

 乾いた甲高い音と共に僕の手を離れたロングソードが宙を舞っていた。掌が痺れていた。度重なる波状攻撃に握力が限界を迎えていた。そして、思わずおののき、後ずさりした僕はさらなる戦慄を覚えた。背中が、大きな木に当たっていた。いつの間にか追い詰められていた。袋の鼠、退路を断たれていた。

 絶望を覚えて息を飲む、だけど、無情にも完全に丸腰になり、逃げ場を失った僕目がけて目の前の猿が大きく笑いながら地面を蹴った。

 慌ててナイフを求めて右手を腰のバッグに伸ばす。でも、間に合わないと咄嗟に理解した。視界いっぱいに肉迫する羊の顔があった。横薙ぎに切り裂こうとする右手の鍵爪が見えた。

「来るナッ!」

咄嗟に叫び身体を捻ったその瞬間、左手の指先に何かが触れた。そして、それが何なのか分かるよりも先に、僕は藁をも掴む想いでそれ握りしめ、思い切り左腕に力を込めた。


…そして、信じられない光景を目の当たりにしたんだ。


 僕の左手が握っていた物。それは腰のひまわり丸だった。抜こうとしていた。でもダメだった。間に合わなかった。左手一本では腰のカタナは完全には抜けなかった。でも次の瞬間、半分だけ鞘から姿を現した刃に横薙ぎに振られた魔物の腕がめり込むのが見えた。そして、ほとんど衝撃もないまま、舞い散る血シブキと共にそれは回転しながら宙を舞った。攻撃に失敗し、僕の目の前を左から右へと転がって行った猿が、腕を押えて悶絶していた。それは、今まで経験した事のない手ごたえだった。まるで柔らかいバターかプリンでも切ったような感触だった。いつ触れて、いつ切り終えたのか、それすらが曖昧だった。それほどまでに手ごたえが無かった。だけど、間違いなく腰のカタナは魔物を切っていた。その腕を一刀両断にしていた。

 恐る恐る、改めてひまわり丸を右手で握ると、僕は一気に鞘から抜いて中段に構えた。震えていた。手の中の剣が震えていた。でも、それは僕の手が震えているだけではなかった。超振動。そう剣が、ひまわり丸自身が細かく甲高い音を出して震えていた。それはまるで再び陽の目を浴びて、喜びに産声を上げる赤子のようだと僕は思った。目の前には、その音にたじろぎ、後ずさりを始めた二匹の猿達の姿が見えた。

 勝負はすでに決していたのかも知れない。猿達にさっきまでの精彩さは残っていなかった。そして、それ以上の変化が僕に起こっていた。

―大地を蹴った身体が嘘のように軽かった。

逃げようとして跳ね上がる猿に合わせて僕も跳躍する。そしてそれは魔物の高さとスピードを凌駕した。そう、鋼の剣という重量級の足枷から解放された僕の体は、本来の速さを取り戻していた。

 目の前には慌てる猿の背中が見えていた。そして、真横に振ったひまわり丸の刃が魔物の首に微かに振れると、僕はまるでバイオリンを奏でるように一気に引いた。

 軽い、本当に軽い手ごたえと同時に分断された首がさらに天高く舞った。そして僕は確信した。これがサムライシュベアトの、ひまわり丸の本来の使い方なのだと。そう、魔物の腕を切り飛ばした時もそうだった。偶然にも、刃を鞘から抜く動作に合わせて敵の腕が切れていた。

 今まで、剣とは相手にぶつける物だと思っていた。力を乗せ垂直に打ち込み、その重量と振り下ろしの加速で鎧ごと歪め、たたき切る物だと思ってたし、そう教わった。それが、剣技だと思っていた。でも、この異文化の中で培われた剣は違った。重さではなく、速さで切る剣だった。

そう、叩いて切るのではなく、引いて斬る!

 空中で身をひるがえし、睨んだ地面には腰を抜かし後ずさりする最後の一匹が見えた。自然落下する時間さえもどかしかった僕は、そのまま鼻先を通り過ぎる太い枝を握って強引に方向転換をすると、まるで射出された矢のように魔物に向かって大木を蹴った。そして、着地と同時にバウンドすると、背後から魔物の断末魔が聞こえた。

―重さではなく速さ。

小さな頃から背が低く、身体も華奢だった僕は強さと重さに憧れた。力で、圧倒的な破壊力でダニールのヤツをギャフンと言わせたかった。でも違った。苦しかった。憧れ、求め続けていたその剣の道はあまりにも険しく辛いだけだった。

 物事、吹っ切れてから初めて気付く事がある。そして改めて考えると、それは何とも当たり前で、何とも単純な答えだったのかとため息を漏らす。正に、この時の僕がそうだった。そうだ、いつだって僕が勝ってきたパターンは重さではなく速さだった。ダニールの時も、あの、カマキリの化け物の時も。

 トリッキーな剣士らしからぬ動きで宙を舞い、吹き抜ける疾風が如く敵を切り裂く。そう、それが本来の僕の戦闘スタイルだったんだ。それをコイツが気付かせてくれた。手の中のひまわり丸が震えて笑っていた。まるで『これからよろしくね、相棒!』と、語りかけているようだった。



                 (四)

 西陽の射す広葉樹の小道を走る僕とひまわり丸はまるで風のようだった。はたまた、水を得た魚。滑るように、泳ぐように木々を縫って駆け抜けた。身体は不思議な程に軽かった。

 流れて行く景色の中、時折目の前の梢や茂みが揺れた。でもそれは、僕達を失速させるにはすでに役不足だった。僕はトップスピードのまま腰のひまわり丸を抜くと、飛びかかる山羊猿の脇や太ももに軽く切っ先を当てると同時に駆け抜けた。インパクトの瞬間微かに柄を絞り込むと、背後から魔物の悲鳴が聞こえた。手の中の相棒がはしゃいでいた。

『敵を鎮圧するのに即死を狙う必要はない』

先を急ぐ僕達はこの答えに行き着いていた。そう、瞬間で戦力を奪う。それだけ出来れば充分だった。そしてそれは、コイツとだから出来た技だった。頭の中では懐かしい母さんの言葉が蘇っていた。

『熱が出た時は頭を冷やすよりも、腋とか股間とか太い動脈が流れている場所を冷やすのが効率的なのよ…』

それはそんな言葉と笑顔だった。ならば、そんな戦い方は僕に打ってつけだ。なぜなら、子どもの頃から人体模型を見て育ってきた。どこにどんな血管があるのか、何処が一番皮膚が薄く、最短で動脈に届くのか知っている。

 笑った。思わず笑いが零れて、気が付くと涙で濡れた頬が風に当たって冷たかった。

『医者になりたかった』

『ずっとそうなると思っていた』

『そんな未来に憧れて、物心つく前から勉強していた』

『でも、なれなかった…』

まさかそれが今さら、その未来を失ってもなお、こんな形で僕の命を繋げるだなんて、まったく笑うしかないじゃないか。涙が出たって仕方ないじゃないか。そして僕は遠くの空を見上げると、父さんと母さんに感謝してさらに加速した。


 それは、さらに数匹の猿を斬り、さらに深く森を進んだ時だった。不意に手の中のひまわり丸が震えたかと思うと、頭の上の方から女の子の悲鳴が聞こえた。瞬間、体中の血液が沸騰した。僕の仮説が当たっていた。聞こえたのは悲鳴だと言うのに、全身が喜びで震えていた。

『くーちゃんが生きている』

その悲鳴は、その事実を理解するには充分な物だった。瞬間、足を止めて周りを伺と、目の前にある急な斜面のさらに上から風に乗って強烈な獣の匂いが降って来た。騒がしく空気が揺れていた。そして僕は見つけたんだ。茂みに隠れていた上へと続く苔がむし、朽ちかけた長い石段を。


 グッと息を止めて一気に石段を駆けあがる。すると、目の前に幾つもの奇妙な物が見えてきた。それは、やはり朽ちかけた木製の赤い門のような物で、上る石段の先にいくつも並んでいた。…どこかで見た記憶のある物だった。

 腰のひまわり丸に手を伸ばし、さらに加速しながら記憶を辿る。そしてそれは、意外な程にあっけなく判明した。

『トリイ…』

『そう、鳥居!』

小学校の頃、長い休みが終わった後はいつだって、教室は皆の旅行の土産話で溢れていた。そして、相槌を打つことしか出来なかった僕は、父さんの書斎で見つけたんだ。そう『ワールド大紀行』というカラー図鑑を。そしてそれを眺めて旅行に行った気分になったんだ。そして、その中で見たんだ、この異文化情緒の溢れる奇妙な物体『鳥居』を。そして、知っている。それが並ぶ石段の先に何があるのかも。


 息を切らし最後の鳥居をくぐった僕の目の前には想像していた通りの光景と、想像を絶する身の毛のよだつ光景が広がっていた。

 案の定、小高い山の頂上にあったのは、境内(けいだい)と呼ばれる広場だった。そう、鳥居があるという事は、その先に必ず存在するんだ。東方の人々が信じる神様が宿る教会、神社が! 度重なる世界大シャッフル。その渦に飲みこまれ、街からも外れて忘れ去られた教会。ここはそれなのだと理解した。

 そして、想像を絶する身の毛のよだつ光景。それは群れをなし、ひしめき合う無数の猿達の姿だった。そう、そこはあの山羊頭達の根城だったんだ。だけど、不思議な事に一匹たりとも、突然境内に姿を現した僕を見るヤツはいなかった。狂ったように興奮し、歯ぎしりや甲高い鳴き声を響かせて、取りつかれたかのように必死に何かに群がっていた。次の瞬間、僕はそれが何なのかも理解した。

そして、それがどういう状況を意味するのかも。

くーちゃんの泣き声が聞こえていた。

黒山の魔物達の向こうに、薄水色に輝く結界の光が見えた。それは、何度も何度も見て知っているツェルト(宿泊結界)の輝きだった。そう、そこにあったのは小さくて、やっぱり朽ちかけていたけれど『お堂』『社』と呼ばれる東方の教会の建物だった。その光は今にも消えそうな程に弱々しかったけれど、それでも辛うじて神様の結界は生きていた。そう、くーちゃんはあそこに逃げ込んだんだ。

「くーちゃんッ! もう大丈夫! 迎えに来たよ!」

叫んでいた。僕は考えるよりも先にその言葉を発していた。そして、一拍置いて一番聞きたかった言葉が聞こえて来た。何度も何度も「おにいちゃん」と泣きながら叫んでいた。そして、次の瞬間、場の空気が一変した。凍り付いていた。今の今まで騒いでいた魔物達の間に沈黙が走ったかと思うと、一斉に振り向いた。

無数の赤い瞳が僕を睨みつけていた。

大きく生唾を飲む音が聞こえた。

僕の喉の音だった。

その光景に背筋が凍りついて、思わず腰のひまわり丸の柄(つか)に右手を置くと、事もあろうかそんな絶望的な状況なのに相棒は笑っていた。

…ああ、そうだ。

 そうだよね。

あそこにいるのは、君の名づけのお母さんだ。

ならば、何が何でも助けないわけにはいかないね。

一対無数。

僕は死闘を覚悟した。




つづく

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