どうも、水谷一志です！

　本日から数回に渡って、別サイト（小説家になろう）にアップしている小説「フラッシュバック」に出てくる宗教、「マーシャル教」について語りたいと思います。

　…これは僕の人生哲学のようなものですね。あとこれは決して怪しい宗教の勧誘などではありません！

　（以下、小説家になろうと同じ文章をアップしておきます。また気になる方のために、「フラッシュバック」のURLを貼っておきます。）

https://ncode.syosetu.com/n0044cv/

はじめに

「フラッシュバック」本編で出てきた性格診断、マーシャル。そして、そのマーシャルを土台にした宗教が、「マーシャル教」です。

　ここでは、その「マーシャル教」について、解説していきたいと思います。

一　マーシャル教の世界観

　マーシャル教では、この世界を無限に広がるものと考えます。それは宇宙誕生の瞬間から、いえ、さらに言えば宇宙が誕生する前、「無」の状態であった時から現在まで、世界は無限に広がっているという考え方です。

　そしてマーシャル教では、全てのものに意味があると考えます。それは今現在存在しているものはもちろんですが、現在では存在が消えてしまったものにも意味があると考えます。

　そしてその「意味のあるもの」には我々人間が営んだものだけでなく、あらゆる生命体、さらにいえば非生命まで、ありとあらゆるものに意味があるとマーシャル教では考えるのです。

　そのマーシャル教の基本的な考え方の例として、恐竜を挙げてみましょう。恐竜がかつて地球上に存在していたことは、みなさんご存知かと思います。そして中にはこう考える人もいるかもしれません。

「恐竜は人間でないから意味をもたない。」

「恐竜は絶滅してしまったから、現在では意味を持たない。」

　しかし、マーシャル教ではこのような考え方をしません。まず初めの「恐竜は人間でないから意味をもたない。」ですが、マーシャル教は決して人間中心主義の宗教ではありません。そのため人間でない恐竜の生命にも意味があると、マーシャル教では考えるのです。

　次に、「恐竜は絶滅してしまったから、現在では意味を持たない。」という考え方ですが、マーシャル教では例えば過去に絶滅してしまったものなど、なくなってしまったものも現在存在するものと等しく意味があると考えます。

　この考え方を説明するマーシャル教の用語に、「タイムスライス」という言葉があります。これは、「あらゆる空間、時間は『存在するもの』として無限に広がっていく」というマーシャル教の基本的な考えを、「時間」という観点から説明するものです。

　もう少し具体的に、恐竜という例に即して説明していきたいと思います。

まず、「恐竜」という「もの」は、現在は絶滅して存在していないですが、過去には確かに存在していたものであると仮定します。この場合、「タイムスライス」の考え方では「時間」という「もの」は半永久的に広がっていくものであると考えるので、「現在」という一点には存在していなくても、「過去」という時間の流れの中に存在していると考えます。そして全体的に見てその存在は確かに意味を持つと、マーシャル教では考えるのです。

　さらにこの「タイムスライス」を説明するマーシャル教の有名な思考実験として、「科学の進歩」というものが挙げられます。

　この、「科学の進歩」について説明します。例えばこの世界に、他の誰とも関わりなく生き、亡くなった一人の人間がいたとします。そして一般的な考えとして、「その人の一生は意味がなかった。」と仮定するとします。

　もちろんこの思考実験上ではその人間は他の人間と一切関わらなかったと仮定するので、他者にその人間が影響を与えてはいません。またその人間は後世に何も残さなかったとも仮定します。

　しかし将来「科学の進歩」が起こり、その人間の「生前」を覗けるようになれば、どうでしょうか？そう仮定したとすると、その人間は他者に影響を与えるかもしれません。そうすれば、その人間には「意味がある」と間違いなく言うことができます。

　この「科学の進歩」から派生して考えれば、仮に「科学の進歩」が起こらなくてもその人間には生まれてきただけで、専門的に言えば「無」ではなく生まれてくるという「有」の状態になっただけで、他者と何の関わりがなくてもこの「世界」に存在していたという「意味」があると言えます。それは時間、空間など、この世界の「総体」の中で意味論を考えるマーシャル教を特徴づける考え方でもあります。

　ちなみに「タイムスライス」という用語は、時間を過去、現在、未来と「スライス」して考え、たとえそれが「過去」のものであっても、その瞬間をスライスすればその瞬間に確かに「もの」は存在し意味があったという考え方を元にする用語です。

　そしてそんな「意味」の総体がこの世界を形づくる、マーシャル教ではそう考えるのです。