第108話 次へ

「マスターはどのくらいの時間ボーナスステージを行っていたのですか?」


「6時間だと思うよ」


ご丁寧に1時間おきにやめないかと話しかけてきたからどれくらい時間が経ったか分かりやすくて助かった。

俺は数日くらいはボーナスステージに付き合うつもりだった。それなのに6時間で終わるとはかなり楽だったな。



「高速崩壊は試練の趣旨に合わないので、いずれやめさせられるとは思っていました。しかし、案外早く終わりましたね」


「趣旨に合わない?」


確か俺もどきも俺を試練から追い出した時に同じようなことを言っていた。


「恐らく今回の試練は心·技·体で言うところの「体」にあたるステータスを見るのが趣旨だったのでしょう」


「あ、だからスキルを制限したのか」


本来のステータスの力をより引き出すためにスキルを5つまで制限したのか。


「マスターはボーナスステージでスタミナという隠しステータスは使いましたが、それ以上に高速崩壊というスキルの力に頼って筒を攻撃し続けたので追い出されたのだと思います」


要するに「体」の力を使うことを求めているのに、「技」の力を使ってたから追い出されたのか。


「ってことは1回目の試練の趣旨は…」


「はい。あれは「心」にあたる精神力を見るのが趣旨だと思います」


確かにあれは精神攻撃が主体で心をかなり揺さぶられたからな…。


「じゃあ次の試練は「技」になる…あれ?」


「気付きましたね」


今、現れている大ダンジョンの数は4つだ。次の試練で「技」が趣旨だったとしよう。それで心·技·体の全てが完了してしまう。


「3回目の試練はマスターの予想通り「技」が趣旨のものになるでしょう。そして、4回目の試練では心·技·体の全てが求められるか、今までと全く違う内容の試練になるのではないかと思います」


ナービにも4回目の試練の内容は分からないようだ。


「まあ、試練は一旦置いておいて、エルフに会うために北のダンジョンに行かないとな」


「そうですね」


もうこのダンジョンには用はないので、次に北のダンジョンへ向かおう。ドワーフ達との約束の1ヶ月後に再びここに来ることを忘れないようにしないとな。


「マスター、ダンジョンを出る前にステータスを確認しませんか?」


「あ、忘れてた」


試練が終わったのにステータスを見ていなかった。試練でどのくらいステータスが変化したかを楽しみにしながらステータスを見てみた



【名前】  斉藤 零

【種族】  覇王(龍族) 

【年齢】  19   

【レベル】 44 ★★★  

【ランキング】 1位


【HP】   94400/94400    (5000UP)

【MP】   32300/78300-36000(5000UP)


【攻撃】  14080+2200  (1000UP)

【防御】  11200+800   (1000UP)

【魔攻】  14080+4000  (1000UP)

【魔防】  11200+800   (1000UP)

【敏捷】  15366+40   (1000UP)

【運】   100       


【スキル】

・手加減Lv.MAX・指導Lv.MAX・騎乗Lv8

・吸血Lv.8・超音波Lv.9・罠解除Lv.8

・偽装Lv.MAX・変装Lv.4・連携Lv.MAX

・指揮Lv.3・水中高速移動Lv.MAX

・水中呼吸Lv.MAX・無呼吸Lv.MAX・共通言語


【ユニークスキル】

・【ステータス】極大強化

・【隠しステータス】極大強化・ナビゲーション

・絶対感知Lv.9

・高速崩壊Lv.MAX [進化可能](3UP)

・神速多重思考Lv.8・全大耐性Lv.8

・超高速再生Lv.9・疾風迅雷Lv.8・修復Lv.7

・神速飛行Lv.6・性聖Lv.3・究極テイムLv.3

・透明化Lv.4・透過Lv.4・硬翼Lv.4・空中水泳Lv.4

・自我完全操作Lv.8

・天使召喚Lv.6【テンカ、テンナ、テンラ】

・強制進化(使用不可)・龍鱗Lv.4


【エクストラスキル】

・覇王Lv.9・魔眼Lv.7・武眼Lv.8・龍眼Lv.5

・強欲Lv.7・傲慢Lv.4・憤怒Lv.3・龍魔法Lv.4

・龍気Lv.3・白虎術Lv.3・朱雀術Lv.3


【称号】

・先駆者

・挑戦者

・一騎当千

・耐え忍ぶ者

・名付け親

・強欲

・傲慢

・憤怒

・新種

・種族の王

・龍種

・龍の親

・霊獣殺し

・四神流刃術

・四神流魔術

・○○への通行許可書

・東のダンジョン完全クリア

・西のダンジョンクリア

・南のダンジョン完全クリア(New)






「おっ!結構上がってるな」


俺もどきが言っていた最大評価というのは間違ってないようだな。


「高速崩壊のスキルレベルも上がって進化可能になりましたね」


「まあ…6時間も使い続けてたからな」


高速崩壊というスキルはそう長時間使い続けるようなスキルではない。普通は戦闘中に長くても2、3分使うかどうかのスキルだ。そんなスキルを6時間も使い続けたら進化もできるようになるよな。


「進化させますか?」


「もちろん」


そうナービに答えて、俺は高速崩壊を進化させた。


『ピコーン!』

『高速崩壊Lv.MAXが進化し、神速崩壊Lv.5を取得しました』


「いきなりスキルレベルが5まで上がったな」


「かなり余分にスキル経験値が溜まっていたのでしょうね」


どうやら高速崩壊はあの6時間の早い段階でレベルMAXになっていたようだ。だから余分だった経験値は進化後に回されたのだ。


「神速崩壊になってどこが変わったか早速試してみようかな」


「ここでは絶対にやめてください」


あ、近くにクリスタルがあったな。万が一神速崩壊に巻き込まれて壊れてしまってはナービに勘当されかねない。


「じゃあ神速崩壊は次のダンジョンで試すことにするよ」


「それが一番安全ですね」


俺はダンジョンをクリアして使えるようになったダンジョン転移を使って、ダンジョンの1回層の出口付近まで転移した。



「はい。こちらがダンジョンの中になります」


「これがか〜」


「すげぇ…」


しかし、ちょうど運悪く、観光にダンジョンに入っている人達の群れに遭遇した。これが父さんと母さんが参加したダンジョン観光か。すぐ近くに居るのに隠密のおかけでこちらには気付かれることは無い。しかし、ダンジョンに続々と観光に入っている奴らのせいで俺が出れない。



『随分と舐めた格好ですね』


『まあ…目的が観光だからね…』


ナービが辛辣なことを言っている。だが、確かに言いたいことは理解できる。ダンジョンに入るのに、全員私服だ。ジャージとかの動きやすいような格好でもない。さすがに歩きにくいヒールとかの人はいなかったが、革靴を履いた人はいた。

上から目線で色々言ってはいるが、俺もダンジョンに落ちた時は私服だったな。懐かしいな。



「私達が安全を見守りますが、くれぐれも身勝手な行動はしないようにしてください」


『付き添いの護衛の人はちゃんとした格好をしてるね』


『格好だけではないようです』


ナービはそう言うと、護衛の中で1番強い女性のステータスを見せてきた。



【名前】  ニコロス・リリカル

【種族】  人間

【年齢】  25

【レベル】 36    

【ランキング】 87位


【HP】   1900/1900   

【MP】   1200/1200   


【攻撃】  370+20    

【防御】  300+10    

【魔攻】  250+10    

【魔防】  270-20    

【敏捷】  410+20    

【運】   75


【スキル】

・剣術Lv.8・火魔法Lv.4・水魔法Lv.2・風魔法Lv.3

・身体強化Lv.5・詠唱省略Lv.1

・鑑定Lv.4・共通言語


【ユニークスキル】

・虫の知らせLv.2




「ん…?」


ニコロスさんが急に俺の方を向きながら剣を構え出した。


「どうかしたか?」


「いや…何でもない」


『虫の知らせか?』


『そうです』


別に攻撃されようがダメージは全くなかっただろうけど少しびっくりした。


『ん?あれ?虫の知らせのスキルって…』


『自分に取ってよくないことを感知するスキルですね』


『俺はあの人にとってよくない存在なのか…』


俺は観光か…と少し複雑な気持ちで見ていただけで、危害を加える気は全く無かったのに…。




『やっと外に出れた』


『お疲れ様です』


観光勢が居なくなったと思ったら、俺と同じように観光勢を待っていた人達が出たり入ったりしていたせいで結局20分近く待ってた気がする。透過ですり抜けて通ろうかとも考えたが、透過中は武器のカグロは持てないから諦めた。


「さて、北のダンジョンに向かうか」


ダンジョン近くにある大ダンジョンを繋ぐ転移装置?的なものを使って北のダンジョンへ向かった。



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